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次の瞬間には、俺は速見の腕の中にいた。
俺が掴んでいた手とは逆の手で身体を、半ば強引に抱き寄せられて、肩口に顔を埋めるように掻き抱かれる。
熱い息がうなじにかかって、体が僅かに疼いた。
「・・・いまさら、何言ってんだよ・・・」
速見の声は、泣いてるみたいに掠れて震えていた。
ただでさえ泣きそうだった目頭がさらに熱くなって、鼻の奥がツンとする。
今なにか喋ってしまったら、目に溜まった涙のダムが結界してしまいそうで、俺は押し黙ったままに、速見の背中に両腕を回した。
「俺は、最初からお前を女にするって言ってたじゃねーか・・・いまさら、嫌だって言ったって、離す気なんてねーし・・・」
そう言う速見の声音は、どこか強がっているように聞こえる。
でも、俺は言葉を返すことができないまま、黙って頷くしか出来ずにいて、それをどう思ったのか、速見は俺を抱く力を強くした。
「・・・お前は、俺の可愛い女だ・・・いいな?」
甘い声音に、俺は静かに肩を震わせた。
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