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「ふはは・・・なんだよ」
「いや、お前って髪長いよな」
「ん?まぁ、そうかな」
俺はあまり、見た目とか髪型に頓着しないタイプだから、しばらく散髪していない髪は肩に付きそうなくらいに伸びていた。
でも放置してるからって別に変な髪型じゃないと思う。かろうじてウルフカットに見える。
料理する時や邪魔な時は結ぶから、苦労する長さじゃないんだけど
その髪を、速見は何度も指先で撫でる。
別に速見に触られるのは嫌じゃないけれど、少し冷たい指先がうなじに触れると擽ったい。
だけど、悪くない。
「綺麗な髪だな」
フッと、口の端を吊り上げ笑う速見に、心臓がドキリと跳ねた。
「そう、かな」
「ああ、綺麗だ」
速見の、なんとも言えない愛おしむような笑顔と、柔らかな優しい指使い。
ちゃんと手入れしてないのに、何がそんなに綺麗なのかわからない。
再びジワジワと込み上げてくる熱は、どうしようもなくて、気恥ずかしさに逃げたくなるのに、もっと撫でられていたい気もして、それがさらに恥ずかしくて居た堪れない。
何か話して気を紛らわせたいのに、出てくる言葉がなくて、俺はただ黙って速見に撫でられ続けた。
ーーー速見の、女
それはまるで、俺が速見の所有物になったような、少し乱暴な言葉のような気がした。
けど、だけれど、
少しだけ、その関係が誇らしいような気がした。
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