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その日々
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速見の女になって、2ヶ月。
『あいつ、最近あの速見と仲いいよな』『舎弟になったらしいぜ』『無理矢理パシリにされて』『可哀想な奴』
その2ヶ月の間で、俺の周りは大きく変化した。
クラスでの友達は減るし、あることないこと変な噂は立つし、先生からも少し目を付けられるようになって、妙な奴らに絡まるようになった。
平々凡々な日々を大切にしたかったんだが、まぁ無理だな。
だけど、上辺だけの友達が減ったお陰で見えてきた物もある。
「南ー!はよー」
「橘、おはよ。三國も」
「おう」
不良と付き合い始めても、少しも態度を変えることがなかったのは、橘だけだった。
そして、三國とも少しだけ仲良くなった。合わない事も多いけど、基本いい奴だ。
クラスは違えど、この二人の存在はかなり心強い。
それから、速見。
あいつは、少しまともに学校に来るようになった。
遅刻も減ったし、ちゃんと授業に出るようになった。まぁ、ちゃんと授業を受けてるのかは知らないけど、
誰彼構わず喧嘩を売ることもしなくなったし、怪我も減って、先生から呼び出しをくらうことも減った。
そして変わらず、俺の弁当を『美味しい』と言ってくれる。
平穏無事で、なんの事件もない日常ではないけれど、
ーーーあぁ、幸せだな。
なんて、そう思えるそんな日々が続いた。
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