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当たり前に触れる
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学校も終わり、さっさと帰る準備をして速見と待ち合わせている正門の方へ向かう。
すぐに見知った横顔を見つけたけれど、その姿に首を傾げた。
「よぉ速見・・・なんでジャージなんだ?」
いつもはダラケた制服姿の速見が、珍しくジャージを着ていたのだ。
学校指定のジャージはダサいから着たくないとか言ってたのに
「いや、さっきまで体育でさ。着替えるのダルくて、そのまま来た」
「・・・、ふーん」
なんでも無いように返事をしたが、内心かなり驚いていた。
ただ座っているだけの授業でさえ出たがらない速見が、体育の授業に参加するなんて、信じられない。
そして同時に、かなり嬉しい。
もしかして、クラスで仲のいい奴でも出来たんだろうか。
他人の輪の中に入りたがない速見が、そうやって人に馴染んでいくのが嬉しかった。
「なにニヤついてんだ」
「あ?いや、別に」
無意識に笑っていたらしい。
慌てて口元を隠すが、ジンワリ頬が熱くなってしまう。
それを誤魔化すために、無理矢理話を逸らした。
「つか、ジャージだけって寒くね?」
「あー、寒い。中は着込んでるけど、今日は冷えるな」
ポケットに手を突っ込んで、背中を丸めるその姿に、不意に視線が向いた。
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