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速見の傍に居るためなら、俺はなんだってするよ。
「何かあったら、その時に考えようぜ」
「・・・そうだな」
速見の手に添えていた手で、今度は元気づけるように背中を叩いた。
そしたら、速見は少しだけ安心したように肩の力を緩めて、フッと笑った。
ーーーそうだ。速見は笑っていればいい。
「んじゃ、ちゃっちゃと飯食えよ。休み時間無くなるぞ」
「おう」
当たり前みたいに隣に並んで、
当たり前みたいに触れ合えて、
当たり前みたいに笑い会える。
この距離だけは、絶対に手放したくはない。
「・・・速見」
「ん?」
「もう・・・離れるなんて、言わないで」
「・・・」
実に女々しいお願いも、何のためらいもなく言えてしまうのは、俺が速見の女だからだ。
「あぁ。言わないよ」
「約束な」
付き合うとか、恋人同士だとか、そんなモノじゃない。
そんな中途半端なモンじゃない。
俺は、速見の女だから、
だからそれでいいんだ。
その距離で十分なんだ。
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