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三國と橘
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飯を食べ終えて、ダラダラしながらそろそろ教室に戻るかーなんて話しながら廊下を歩いていた時だった。
「なぁおい、あれ。橘じゃないか?」
「ん?」
速見が指差す方に目を向けると、栗色の天然パーマの頭が見えた。たしかに橘だ。
橘は何故かコソコソと隠れるみたいに階段の手前の壁に張り付いて、その階段の下の様子を伺っているようだった。
俺たちに気付く様子のない橘の後ろへコッソリ回り込むと、橘が見ている方へ目を向ける。
「あれ、三國か?」
「ッ!!??」
ビックーーン!!と、橘はド派手に肩を跳ねさせ、物凄い勢いで振り返ると、俺たちの顔を認識して、ダラダラと汗を掻きはじめた。
「ゆ、ゆゆゆゆーしんに速見くん!?な、なんで」
「いや、橘が見えたからさ」
「あぁ、何してんのかなーと思って」
俺に続いて速見が口を開くと、また廊下の下を覗き込んだ。
そこでは、三國が小柄な女の子と何やら話をしているみたいで、どうやら橘はあの二人の会話を盗み見ていたようだった。
見慣れない女の子の方は、多分後輩の女の子で、遠目じゃ顔まではわからないが、細くて可愛らしい子だ。
そしてその女の子と三國の様子は・・・どこか青春の甘酸っぱさを匂わせている。
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