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嫉妬されて喜ぶなんて、俺はどうかしちゃったんだろうか。
いや違う。
きっと、速見だからこんな気持になるんだろうな。
「バーカ。んなヤキモチ妬かなくてもさ、俺はお前の物だろ?」
抱き締める力を緩めて、それでもくっついた体は離れない。
速見の体温が伝わって来て、その熱が心臓まで届くような気がする。
そのくらい、速見との距離は近い気がした。
「でも、妬いてくれるのは嬉しいな」
そう言うと、速見は何故かちょっぴり不機嫌そうな息を吐いた。
「俺は気が気じゃねーつの」
「そんなもんなのか?」
「そんなもんだよ」
俺はあんまりヤキモチとか妬かないタイプだからかな。その感覚が分からなくて首を傾げていると
キーン、コーン・・・
「あ゛ッ!!授業!!」
「ダリ。もうサボれば?」
授業の鐘の音に身体を引き離すと、速見気だるそうに首の後ろを掻いた。
「馬鹿!授業にはちゃんと出ろ」
その肩を軽く小突くと、廊下を駆け出す。
それでもやっぱり気だるそうだったが、仕方ないとでも言うように速見は俺に続いて走り出した。
「お前、そーゆーとこホントしっかりしてるよな」
「あ?フツーだろーが。俺はそんな不良じゃない」
「・・・なんかあんのか?」
「あ?何か言ったか?」
走りながらじゃ上手く聞き取れなくて、首だけ振り返り聞き返すが、速見は首を振って「なんでもない」と言った。
「走るんなら前見ろ、コケるぞ」
「はっ、んなガキみてーなことするかっ―――って、うわっ?!」
・・・立てたフラグを見事に回収して、俺は見事に廊下にダイブした。
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