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速見と橘
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「ほんっっっっとゴメン!!!」
ホームルームが終わって数分もしないうちに、ドタバタと騒音を上げながらやって来たのは、速見の腕を引っ掴んで息を切らした橘だった。
どうやら、授業終了と同時に速見のクラスまで行って、その後二人で俺のクラスまで走って来たらしい。
そして橘は、俺と速見に向かって両手を合わせると深々と頭を下げて叫んだ。
「さっきは変なとこ見せてゴメン!!忘れてください!!」
人目も気にせずに頭を下げる橘に、俺と速見は目を見合わせて息を吐いた。
「いや、別に俺ら、そういうの気にしねーし。な?」
「あぁ、それに謝るような事じゃない。顔上げろよ」
橘は、俺たちが男同士が気持ち悪いだとか、ホモに嫌悪するだとか考えていたのかもしれないけれど、俺も速見も、そんなことを考えたり、思ったりなんてしない。
気にする必要なんてないと伝えるように、橘の肩を叩く。ようやく上げたその表情は、安堵したように今にも泣き出してしまいそうだった。
「ばーか。泣くなよ!」
「ご、ごめん・・・えへへっ」
潤んだその表情に思わず笑ってしまうと、橘は少しは恥ずかしそうに笑い返してくれる。
とりあえず元気は戻ったみたいだ。
「よかったぁ・・・絶対引かれたと思ったからさぁ」
「まぁ、確かにビックリはしたけどさ。まさか、橘と三國がなぁ・・・」
「うーん・・・、まぁ、俺が無理にミクちゃんに付き合ってって言ったんだけどね」
「へぇ!橘から告ったのか!?すげーなぁ」
「んー、うん。まぁーね」
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