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―――ったく、
他人に触れさせたくない程好きなら、手放さないように自分で捕まえてろって話だよな。
速見睨み付けていた以上の目線で睨む三國から、さっさと気を逸らして今度は速見に対して手招くように手を振った。
「んじゃ、帰るぞ速見」
「わかった」
「じゃあな、ふたりとも」
歩き出した俺の後ろを速見が追いかけてくる気配がする。
すぐに隣を歩き始めた速見の横顔はいつもどおりだ。
いつもどおり・・・なんだけど、
俺の内心は、何故か落ち着かない。
別に変なもの食べたわけじゃないのに、胃の辺りがムカムカする。
苛立ちを誤魔化すために鞄の奥から飴を引っ張り出して口に放り込んだ。
速見も俺が苛立っている事に気付いたのか、首を傾げながら顔を覗き込んでくる。
『どうした?』って、口に出さなくても聞きたそうな顔してた。
「食べる?」
そんな速見に返事をする代わりに、鞄の奥からもう一個飴を取り出して差し出す。
すると、
それを受け取った速見の手に目が向いた。
「サンキュ・・・何?」
「いや、別に」
すぐに顔を逸らしたけど、やっぱりその手が気になって仕方がなかった。
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