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パニクって逃げるチャンスを不意にしてしまった事に気付いたのは、拓海が再び覆い被さって首筋に顔を埋めた時だった。
しまった……うっかり逃げそびれた。
クソチャラ男の色香に惑わされるなんて、どうかしてる。
いくら顔が綺麗でも拓海は男だ。
おっきいナニだって、おっ勃ててるじゃないか。
うん、大丈夫。
いくら押し倒されたって、ドキドキなんてしてない。
そう、ただの取っ組み合いのケンカだ。
頭がのぼせた状態で思考回路が上手く働かないが、流されまいと必死に自分に言い聞かせる。
「この匂い、好きすぎておかしくなる」
俺が必死に自分を保とうとしている時に、拓海が俺の耳元でいやらしく囁きながらスンスンと何度も鼻を鳴らして俺の臭いを嗅いでいる。
今すぐ拓海を突き飛ばして一発ぶん殴りたい。
それなのに、それが出来ないのは、両手をがっちり捕らえられているから。
互いの指と指を絡め合う、いわゆる『恋人繋ぎ』で捕らえられた俺の両方の掌は拓海の掌と重なって、じんわりと熱を帯びている。
初めての『恋人繋ぎ』の相手が拓海だなんて虚しすぎる。
密かに憧れていた『恋人繋ぎ』は、可愛い女の子としたかったな……。
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