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『そろそろ一人に決めろよ。誠実じゃないと、本当に好きな奴が出来た時に信じて貰えなくなるぞ。その時になって泣いても、俺は慰めないからな』
それはいつも拓海に言っている説教染みた決まり文句。
今言ってる言葉が矛盾してる事は自分がよく分かっている。
だけど、俺だって自分の身が一番可愛い。
拓海から逃れる為には、今はそんな綺麗事など言っていられないのだ。
そんな俺の焦りをよそに、拓海は面倒くさそうに溜め息をついた。
「わざわざ試さなくても分かる。やるだけ無駄だ」
「そんな事ないって、やってみろよ!なっ!」
俺が必死に説得を試みるも、拓海は眉間に皺を寄せて首を振る。
「誰かの匂いにこんなに興奮したの、初めてなんだよ。……もう手離したくねぇ」
俺の言葉なんて聞く耳を持っていないのか、拓海は俺の身体をぎゅうぎゅうと抱き潰してきた。
「うぁ!くっ、苦しっ……は、離せっ、離せよ!」
マジで力の加減しろよって位に締め上げるもんだから、このまま抱き殺されるんじゃないかと怖くなった。
きっと、か弱い女子なら背骨が折れてると思う。
拓海の胸をドンドンッと思いきり叩きながら、男で良かったと心底安堵した。
俺が叩いたのが効いたのか、力は緩めてくれた。
しかし、未だに抱きつかれている状況にどうしたものかと頭を悩ませる。
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