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「翔……好きになって、ごめん」
「……え」
視線を落としていたら急に引き寄せられて、気づいたら拓海の腕の中にいた。
「俺、色々頑張るからさ。好きになってよ、俺の事。スゲー先の事は約束出来ねぇけど……きっと、たぶん、翔の事、ずっと好きだと思う」
スケコマシで、タラシで、チャラチャラした男が、必死になって言葉を紡ぐのを聞きながら、もう覚悟するしかないのかもしれないと思った。
いつも軽い男が、こんなに必死なんだ。
きっと、俺を蔑ろにしたりしないと思う。
この男が他所を向くまで、それまでは。
「そんなに期待すんなよ。マジな話、男は無理かもしんねーし」
そう呟けば、拓海は俺の肩を掴んでグイッと引き離し驚いたような顔をして俺の顔を覗き込む。
「な、なんだよ。そんなジロジロ見んな」
右手で拓海の頬を押して顔を逸らせると、クスクスと笑い声が聞こえてきた。
「まぁ、そん時は俺のテクで、俺ナシじゃいられない身体にしてやるから大丈夫だって」
「はぁ!?」
「つー訳だから、よろしくな。翔」
どちらに転んでも、拓海におとされる運命なのか。
もう何を言っても駄目な気がする。
冗談じゃない、と必死に抵抗しつつも顔を真っ赤にして緩ませている事が、拓海を更に喜ばせていようとは、この時の俺には知るよしもない。
end.
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