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何故か俺は連れ去られました。
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ふと、目を覚まして時計を見ればいつも起きる時間。
俺、いつ寝たのかな?
イクが部屋に来て、話してそれで…
それで?
寝たのかな?
なんか、泣き過ぎて涙出るきしない…
実哉の顔を見たら自信ないけど…
ブーブーとスマホがバイブ音鳴らす。
昨日、知らぬ間にマナーモードにしてたらしい。
スマホを取り、ロックを開く。
実哉からメッセージが着ていた。
“ユーとやる事があるから、先行くな。イクと二人で来てや”
と送られてきていた。
俺は“うん”と返してスマホを閉じる。
はぁーっと思わず長いため息をついて、枕に顔をうずくめる。
実哉に会いたい…会いたいけど会いたくない。
会ったら…きっと…きっと…。
俺が実哉に対して、言っちゃいけない事を言ってしまう気がする。
あー、やばいね…
ただでさえ朝はテンション低いのに今日はいつも以上にテンション低いよ。
それになんか熱い…。
寝たのに眠い。
俺は起き上がり寝室を出て、洗面所に向かった。
そんなに目は腫れてないし、顔が少しむくんでる気もするけど大丈夫かな…
それ以前に寝癖が酷い。
ピンピンあちこちはねてるよ。
髪の毛乾かさなかったせいだね。
俺は時計を確認する。
シャワー浴びてたら、時間微妙かなぁ…
まぁ、いいや!
浴びちゃえ!
俺は服を脱いで…そもそも服着てなかった。
今更だけど、俺起きてからずっと素っ裸でうろうろしてたんだよ。
俺は洗面所から直接、風呂場に向かいシャワーを浴びる。
浴び終わると髪の毛を後ろにひとまとめにして、風呂場から出る。
服は…後でいいか…
肩にタオルをかけ髪の毛をほどく。
もう一枚タオル取り、体を拭きながらキッチンに向かった。
すると、インターホンが鳴った。
俺はチラッと時計を見て、時間を確認する。
出る時間にしては早いなぁ。
俺はとりあえず、玄関に向かいドア開ける。
徠「そー君、おはよ☆良かった、起きt…」
亜「…おはよ?」
なんか、俺見て固まったんだけど…
亜「…イク?おーい…」
イクの顔の前で手を振る。
すると、いきなりその手をイクが掴んできて、そのまま部屋の中に戻された。
徠「そー君!!☆」
亜「…何?」
徠「百歩譲っても部屋にいる時はいいけど、部屋の外にでる時は服を着る!☆いい?☆わかった?☆」
と、すごい剣幕で言われた。
そんな事言われてもイクが来るタイミングが悪かっただけじゃん…
俺、悪くないよね?
亜「…シャワー浴びて、上がった頃に来たイクが悪い」
徠「え!?☆シャワー浴びたの!?☆もうでる時間なのに!?☆」
今、俺がすごく言いたいことは一言だけ。
ほんと、びっくりするぐらい…
亜「…うざい」
徠「人がせっかく…☆」
亜「………」
俺は別に注意してほしいなんて一言も言ってないし。
イクだって分かってたからそのまま服着る事もせず出たのに。
俺は思わず、はぁーっと深いため息をついてしまった。
なんか、もうイライラしてきた。
ほんとにめんどくさい。
徠「そんな、ため息つかなくてもいいんじゃん!?☆」
この期に及んでも、☆を付けるイクにほんとにイライラするし、腹立つ…
亜「…イク。ごめんけど、先行ってて」
徠「え、なんで…☆」
亜「いいから!ちゃんと、後で行くから!今、イクと一緒にいるとイライラするし、☆がうざくて腹立つし、俺言っちゃいけない事言っちゃう気がするから」
徠「…うん☆今、サラッと言われたと思うんだけど…!?☆」
それは気のせいだ!
亜「…いいから!!」
俺はドアを開け、イクを無理やり部屋から出す。
徠「わ、分かったから、ちゃんと髪の毛乾かしてくるんだよ☆」
亜「…うんうん」
適当に返事をして、ドアを閉めて鍵をかける。
俺はとりあえず、制服に着替えた。
そして、ソファーに座り込む。
特に意味は無い。
ただ座りたかったから座っただけ。
なんとなしにテレビをつけて、タオルで髪の毛をタオルドライする。
引退のニュースがあって以来、美空島についてのニュースは観ていない。
あー、跡継ぎの事も考えないといけないのか…
それに実哉の事もどうしよ…
あぁ、ほんとにめんどくさい。
なんでこんなに悩まないといけないんだろ。
なんでこんなに辛いんだろ。
一年前なら絶対こんな事思わなかった。
はぁーっと何度目かため息をつき、ソファーに足を上げて体操座りになり、足の間に顔をうずくめる。
その状態でボーッとしていると、スマホから軽快な音楽が流れてきた。
それにびっくりして思わず、肩をビクッと揺らす。
顔を上げ、目の前の机の上に置いてあるスマホをみると実哉から電話がかかってきていた。
いまだになり続ける音楽と、画面に表示される受話器のマークと拒否マーク。
俺はスマホを取ると、電源を切った。
自分でも何故そんな行動をとったのかも分からない。
ただ、そうするしかないと思っただけ。
俺は髪の毛を乾かして、部屋を出た。
エレベーターで1階までおり、寮を出る。
トボトボと校舎の方に向かって歩く。
人とすれ違う度にその人に見られてるような気がして、俺はパーカーのフードを深くかぶる。
このまま学園を出て、誰も知り合いのいない場所に行って、何もかも忘れて静かに暮したい。
とか、そんな事を思っていた時、後ろからすごい勢いで走ってくる音が聞こえてきた。
俺は関係ないだろうと思っていたら…
華「塑色亜芦止まりなさい!」
俺の前に現れたのはとある三人。
華「麻糸隊長、塑色亜芦発見しました!」
そう言った人物は麻糸隊長と呼んだ人物に向かってピッと敬礼をした。
麻「華糸副隊長、よくやった!」
俺の前に現れた三人のうち二人は同じ顔で同じ背丈。
生徒会の双子書記だ。
そして、あと一人が…
雅「さすがです、副隊長」
ニコニコ笑顔で拍手をするのは同じく生徒会の会計だ。
ていうか、この人達、何しに来たの?
そもそも、この謎の茶番はなんなの?
麻「雅倉隊員、塑色亜芦を確保せよ!」
は?
雅「ラジャーって事で失礼」
ニコニコ笑顔のまま、近付いてくる会計。
いや、普通に怖いから。
俺は思わず、後退りする。
雅「逃げない逃げない」
いやいや普通、逃げるよ!?
少しずつ後ろに下がっていると何かにぶつかる。
背後を見ると、双子書記の壁。
それも会計に負けないくらいのにっこり笑顔。
うん、全く同じ顔が背後で笑ってる方が怖いね。
ていうか、逃げれないじゃん!
俺は意を決して走って逃げようとした瞬間、身体が浮いた。
亜「ぅわっ」
雅「口は閉じといてね。舌噛むよ」
亜「…え?」
麻「行くぞ!」
華・雅「ラジャー!」
ラジャー!、じゃないよ!!
双子書記が走り出す。
そのあとに俺を肩に担いだ会計が追いかける。
何故か俺は連れ去られました。
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