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鬘に瓶底メガネさん
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亜「…ッ」
これ俺、目開いてるよね?
視界真っ暗なんだけど…
いやでも、殴られたお腹とかめっちゃ痛いし、頭痛酷くて頭ガンガンするからあきらかに夢にしてはリアル過ぎるから現実なはず!
まぁ、ただ目隠しされてるだけだろうけどね。
足は自由だけど手は後ろで縛られてる。
そんで、壁際で地べたに座らせられてる。
そもそも、ここはどこだ?
俺以外に人は…気配があるからいるな。
少し寝たっていうか気絶してたからさっきよりは楽にはなったけど頭痛と腹部の痛みが同等っぽいからどっちかにしてほしいくらいかな。
「いつになったら目覚めるの!」
「もう少しだとは思いますから少し待ってください」
もう、目覚めてますが…
気付いてなさそうだから、そのまま気絶してる事にしとこう。
「まぁ、そういうなら諦めるけど」
「あ、良かったらお菓子でも食べませんか?」
「さっき、購買で買ってきたんですよ」
「ほら、なにか食べたいのあったら食べってもらって大丈夫ですよ!」
一人親玉的なのがいて、下っ端が数人かな…
どうにかして逃げ出せないかな?
縛られてる手がさ、縄なら縄抜けとか出来るんだけどテープだとさすがの俺でも無理なんだよね。
足が自由だから逃げようと思えば行けそうだけど、目隠しが邪魔だしな。
結果的に逃げ出す事は無理か。
スマホも落としてきたし…
ほんと、最悪だよ。
最初からイクと一緒に行動しとけばこんな事にならなかったかな…
「もう、長い!水ぶっかけよ!」
は!?
いや、この季節に水ぶっかけるとかふざけてるの?
もう、ほぼ冬だよ?
そもそも、ここ暖房効いてないよね?
すごい寒いもん。
ていうか、俺体調悪いからそれ一番されたくないんだけど…
まぁ、まだ寝たフリは続けるけどね。
「さすがにこの時期に水はよろしくないかと…」
おぉ、下っ端いい事言うじゃん!
「でも、遅いんだもん!」
「もう少しだけですから、待ちましょ?」
そうそう、待てばそのうち目覚めるよ。
泣かぬなら鳴くまでまとうホトトギスって言うじゃん?
ってさすがに意味が違うか。
「えー、もう待つの飽きた。文化祭見て回りたい!」
「ですが…そうは言っても…」
おいおい、下っ端もっとなんか言えよ。
水は勘弁だよ。
「早くー!」
ていうか、文化祭見て回りたいなら皆で見てきてもらって全然構わないよ。
その間に俺頑張って逃げ出すし!
「分かりました。水持ってきますね」
下っ端ぁぁあ。
お前…もっと、頑張れよ…
「バケツ何個分ですか?」
いや、一個で十分だろ?
なんかここまでくると起きるタイミング逃した感すごい…
「持ってこれる分だけ持ってきてー!俺いっぱいぶっかける!」
いや、起こすなら一杯いいでしょ?
「分かりました!行くぞ、お前ら」
「了解」
「うすッ」
「分かりやした」
「おけッス」
下っ端、5人?
「一人で大丈夫っすか?」
「平気平気!早く持ってきて!」
「はい!」
今なら、奴一人?
ワンチャン逃げれるんじゃない?
下っ端、部屋から出て行ったかな。
よし!
亜「…で、俺をどうしたい訳?」
意を決して、俺は聞く。
「なんだ起きてたの。つまんないの」
こちらに足音が近付いてくる。
俺の目の前で足音は止まった。
視界を遮っていた目隠しが外される。
あ…。
あーね…うん…
分かるよ…俺はこいつを知ってるよ…
えーっとね…
亜「…誰だっけ?」
京「塩田京斗だよ。クラスメイトの名前くらい覚えたら?」
あー、鬘の瓶底メガネ。
まぁ、今は鬘も瓶底メガネもかけてなくて、金髪青目を曝け出してらっしゃる。
亜「…んで、鬘に瓶底メガネさんは俺に何のよう?」
京「だから、塩田京斗って言ってるじゃん!耳、大丈夫?」
うん、バッチリ大丈夫だよ。
聞こえ過ぎて辛いくらい。
ていうか、普通に喋れるんだ…
前めっちゃうるさかったのに。
亜「…で、鬘の瓶底メガネさn京「塩田京斗!」」
かぶせなくてもいいじゃん…
ちょっとしたジョークじゃんか。
まったく…
亜「…で、何?」
京「何って、一度忠告したと思うんだけど?」
亜「…何を?鬘の瓶底メガネさんは何か言ったっけ?そもそも、いつの話?」
京「だから、塩田京斗だって!あぁ、もういいよ!」
よし、俺の勝ち!
亜「…で?」
京「ほんとに覚えてないの?保健室で言ったよね?実哉と別れろって!」
あ、それガチな方だったの?
すごくどうでもいいと思ったから記憶から抹消してたよ。
亜「…うる覚えだな。そもそも、俺と実哉が誰と付き合うとか俺と実哉の自由でしょ?それを鬘に瓶底メガネさんに決められきゃいけないわけ?」
京「そうだけどさ…だけど…さ…」
えぇ…
なんか泣き出したんだけど…
これじゃあ、俺がいじめたみたいになるじゃんか。
泣きたいのは俺の方なんだけど?
頭痛いし寒いし殴られたお腹も痛いし、体調すこぶる悪いってのに。
それに対して、鬘に瓶底メガネさんは毛布にくるまってぬくぬくしてるし。
その毛布俺に寄越せよ…
亜「…クシュッ…ゲホッゲホッ」
くしゃみは出るし咳は出るし、最悪過ぎ。
「ただいま、戻りました。てっ、どうしたんですか!?」
あ、下っ端戻ってきた。
せっかく、逃げたそうとしたのにタイミング逃したじゃんか…
京「コイツにイジメられた!」
ビシッと俺を指差して言ってくる。
「け、蹴られでもしたんですか?」
いやいや、手足自由の人に対して蹴っても反撃くらうのくらいわかるし、そもそも俺がそんな事すると思う!?
いや、やろうと思えばいけたかも…
体当たりとかして、少しでもコイツを転ばせれば逃げ出せたんじゃ…
なんて、いい機会を俺は逃したんだ…
京「ただ、泣かされたの!で、水は?」
「持ってきましたよ!一人2個で10杯分です」
いや、そんないらないでしょ?
それに俺起きてるけど!?
京「俺を泣かした事、後悔させてやるからな!」
キッと睨みながら言われた。
俺が言えるのはお手柔らかにお願いしますってくらいかな。
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