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だから…
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実哉Side
俺は正直、亜芦を連れ去った人について薄々感づいとったんや。
副会長が音楽室のドア開けて入り、その現状を見た時怒りとそれと同時に悲しみもあった。
塩田京斗…いや片桐京斗は俺の従兄弟なんや。
小さい頃は弟のように可愛がってた。
けど、中学に上がった頃…
俺が彼女を作る度に京斗は邪魔してきた。
京斗の俺に対する執着心も強くなっていた。
だから、俺は京斗に言ったんや。
しばらく、距離を置こうって。
そして、俺は京斗に黙ってこの学園に来たんや。
そんで、俺は亜芦と出会った。
最初の頃は順調に過ごしとったんや。
なのに、京斗もこの学園に来てしもうたんや。
また、邪魔される。
また、全てを壊される。
俺はだから先に言ったんや。
亜芦に手を出したら、絶対許さへんからなって。
なのに…
音楽室に入った時、亜芦は5人の男子生徒に囲まれ服を脱がされていた。
そして、それを少し離れた所から京斗がそれを見ていた。
また、この光景…
5人の生徒とすれ違う様に俺は亜芦のもとへ行った。
実「亜芦!」
亜「実哉…」
か細い声で亜芦が俺の名前を呼んでくる。
俺は亜芦を抱きしめる。
亜芦の身体は全身ずぶ濡れになり、冷えきってしまっていた。
泣いている亜芦に正直どう声をかけていいか分からなかった。
亜芦がこうなってしまったのは俺のせいだから…
そして、皆が部屋から居なくなり、俺と京斗は二人っきりになった。
実「なぁ、京斗なんでそないに邪魔をしてくるん?」
京「邪魔なんか、してない!俺は実哉の為にしてるだけだ!」
実「その行為が俺にとって迷惑なんやって前に言うたやろ?」
京「だって俺は…実哉が好きなの…好きなんだもん…」
実「その気持ちは嬉しい。でもな、俺が好きなのは亜芦なんや。俺にとって亜芦が一番大切なんや。それをええ加減理解してくれヘんか?」
京「なんで…なんで俺じゃダメなの!小さい頃からずっと一緒だったじゃん!なんで…なんで…」
そこまで言うと京斗は泣き出した。
実「確かに一緒やったよ。でも、俺にとって京斗は弟みたいなもんなんや。それだけは理解してや」
京「で、でも…」
正直、俺は何を言えばええかわからん。
どう言えば理解してくれるんや…
突き放さあかんのかな…
実「ごめんな、京斗。俺、亜芦の事が心配やから亜芦の所に行くな。これ以上、亜芦に近付かんでな」
俺は出入り口に向かって歩き出す。
京「待って、実哉」
京斗が後ろから抱き着いてくる。
実「京斗、離してや」
京「嫌だ!」
俺は後ろを振り向きながら京斗を離させる。
実「京斗、ええ加減俺の事は諦めや」
京「なんで…なんでそんな事言うの?」
そんな事しか言えんのや…
実「京斗、ごめんな。京斗のおじさんとおばさんに連絡しとくからお家帰りや。しばらく俺らは会わんほうがええ」
俺はそれだけを告げて、音楽室を出て、保健室に向かった。
保健室に着くと、すぐにドアを開け中に入る。
実「亜芦は?」
柚「そー君なら寝てるよ。相当弱ってる。体も冷えきってきるし、熱も高い。あと、顔と腹部の所何回か蹴られてる」
入ってそうそう、そう聞くとユーがこたえた。
亜芦の顔が見たい。
カーテンに閉ざされたベッドに近付こうとした時、ぐにゃりと視界が歪み、身体の自由を奪われる。
すんでのところでユーに支えられる。
柚「ギリィも熱が凄いから一度寝たほうがいいよ」
実「すまんな、ユー。けど、せめて亜芦の顔だけ見さしてや」
そう言うと、ユーは俺の腕を肩に回し、亜芦の寝ているベッドまで連れて行ってくれた。
ユーがカーテンを開け、ベッド脇にある椅子に俺を座らしてくれた。
柚「服は濡れてたから全部脱がして、今イクにそー君の部屋から服をとりに行ってもらってるよ。それで…」
ユーはそこで言葉をきって、布団をめくった。
柚「ここの怪我、湿布を貼ろうかと思ったんだけど一度病院に行ったほうがいいかと思って」
腹部が赤く腫れていて痛いしい。
実「せやな。そうした方が良さそうやな。ありがとな、ユー」
柚「当たり前のことをしたまでだよwそれにギリィも診てもらったほうがいいと思うし」
実「せやなwさすがに自力で治すにはかなり時間掛かりそうやしなw」
ハハハッと笑いこたえる。
徠「ただいまー☆服持ってきたよ☆」
勢い良く、ドアを開けイクが言ってくる。
柚「お帰りw一様、病人いるから静かにねw」
徠「あ、ごめん☆あ、そういえば…」
泰「病院行ったほうがいいか?車の手配はしといたが…って、その傷なら病院行きだな。車はここから一番近い玄関のすぐの所に寄せておくから準備出来たら勝手に行ってくれ。こっちはこっちでまだやる事がある。じゃあ、お大事に」
イクに続き入ってきて会長はそれだけを告げると再び出て行った。
俺達は亜芦に服を着せたあと、俺はユーに支えられ、イクが亜芦を抱きかかえて車に向かい病院に向かったのだった。
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