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熱い
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熱い。
俺はそう思い、目を覚ました。
ここ、どこだろ?
部屋は真っ暗でいまいち、はっきり見えず分かりにくい。
でも、俺はこの場所を知っている。
実哉の匂いがする。
多分、実哉の寝室だ。
俺は起き上がる為に上体を起こそうとした時、ズキッと腹部に痛みが走り、再びベッドに体を戻す。
亜「…ッた」
熱い。
喉乾いた。
のに、お腹の所がめっちゃ痛くて起き上がれない。
俺は一度体を横にしてあまり身体に負担をかけないように上体を起こした。
それと同時にパサッと額にのせてあっただろうと濡れタオルが布団の上に落ちる。
ふと、頬に違和感を感じ、手を当てる。
湿布が貼ってある。
殴られた所か…
ベッドの縁に身体を移動させ、ゆっくりと立ち上がる。
やっぱ駄目だ。
身体が重い。
再びベッドに座り込む。
はぁーっと思わず、ため息を付く。
俺は意を決して、立ち上がり近くの壁に全体重をかける。
部屋内の窓の外を見ると、外は真っ暗だった。
今何時だろ?
とりあえず、水。
俺はそのまま、壁伝いに歩き部屋を出た。
どうやら全ての部屋の電気が消されていて真っ暗だった。
暗闇に目が慣れている為、ある程度は見えている。
電気はつけなくていいか。
そのまま、壁伝いに歩きキッチンを目指す。
廊下の突き当たりのリビングに着く。
リビングにはユーとイクが毛布に包まり、雑魚寝をしていた。
俺は起こさないように静かに通り過ぎる。
よく見ると、ソファーに実哉が寝ていた。
亜「…実哉」
思わず、ポツリと呟いてしまった。
柚「…ん」
声を漏らし、ユーが身動ぐ。
俺は思わず両手で口を塞ぐ。
あっ…
壁から手を離してしまったせいで体のバランスが取れずに身体が後ろに傾き、そのまま尻餅をつく。
その振動がお腹にも響く。
亜「…ッ!?」
声こそ出さなかったものの、痛すぎて目尻に涙が浮かぶ。
俺はお腹抑えて、その場でうずくまる。
柚「そー君?」
ユーに話しかけられビクッと肩を揺らす。
亜「…お、起こした?」
イクと実哉が寝てるのもあって、思わず小声できく。
柚「大丈夫だよ。そー君の方こそ、そんな所で何してるの?まだ、寝てないと」
ユーは立ち上がり俺の方に来て、俺の前にしゃがむ。
ぺたっと額に手を当てられる。
柚「まだ、熱高いね。喉でも乾いたの?」
亜「…うん」
柚「起こしてくれればよかったのにw」
亜「…寝てたから」
柚「さすがの僕でも病人に起こされたからって怒らないよwとりあえず、お水持って行ってあげるからベッドに戻ろ」
亜「…ありがと」
柚「いいえwとりあえず、立てる?というか、歩ける?」
亜「…多分?」
俺は首を傾げ、こたえる。
柚「うん、無理なんだねw」
そんな、はっきり言わなくても…
柚「ちょっと、ごめんね」
そう言ってユーが膝の後ろに腕を入れて、片方の腕で肩を支えて、俺を抱き上げた。
俗にいうお姫様だっこ。
柚「おんぶでもいいんだけど、こっちの方があんまり身体に負担かからないと思うからちょっとだけ我慢してね」
そのままユーは歩き出して、寝室に連れて行ってくれた。
寝室に着くと、部屋の電気をつけて俺をベッドの上に座らせた。
柚「お水持って来るから、少し待ってて」
亜「…うん」
ベッドサイドテーブルに自分のスマホが置いてある事に気付く。
スマホを手に取り、電源をつける。
画面に2:56と表記されていた。
深夜3時前。
変な時間にユーの事起こしちゃったな。
よく見ると1件着信が入っていた。
実哉からの…
連れ去られてる前のやつ…
ふと、自分の格好に目がいく。
俺、いつパジャマに着替えたんだろ?
全然記憶にないけど…
うん、気付かなかったことにしておこう。
柚「そー君、おまたせ。はい、お水」
ユーが戻ってきて、お水の入ったコップを差し出してくる。
俺はお礼を言って受け取り、お水を飲みほす。
柚「まだ、飲む?」
亜「…大丈夫。ありがと」
柚「そっか。まぁ、とりあえずそー君、寝とこうねw」
亜「…あ、うん」
まぁ、そりゃそうだよね。
俺はベッドサイドテーブルにスマホを戻して、ベッドに寝転がり布団をかぶる。
柚「ちょっと待ってて。あ、眠かったら寝ててもいいからね」
亜「…?」
すぐにユーは戻ってきた。
柚「おでこ、ごめんね」
額に冷たいタオルをのせられる。
冷たくて気持ちいい。
亜「…ありがと」
柚「いいえwじゃあ、僕リビングに戻るね。部屋の電気消すよ。もし何かあったら起こしてくれていいからね?」
亜「…う、うん」
ユーは部屋の電気を消すと、静かに部屋のドアを閉めて出て行った。
寝るか…
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