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何か必死なんだけど……
深刻な相談事でもあるのか?
いやいや、高校生の俺に相談事なんて、あり得ない。
でも、そのままスルー出来るはずもなく、かと言って立ち話をしている余裕もない。
「えっと、歩きながらでも良い?」
とりあえず、マークさんに提案してみる事にした。
マークさんは微笑んで快く頷くと、二人で並んでゆっくり歩き始める。
「あの……それで、話って……?」
マークさんの方を横目でチラ見ると、すごく嬉しそうな表情していて、思わず二度見してしまった。
「今日の帰宅時間が遅い理由をお聞きしたいのですが、よろしいでしょうか?」
は?
それって、帰ってからみんなの前で話しても良い事なんじゃ……。
って思ったけど、言わずに、グッと堪える。
マークさんなりに、心配してくれているのだから、ここは聞かれた事にきちんと答えるべきだろう。
一言謝って、放課後の出来事とおばあさんの出来事を一通り話した。
「なるほど、ご友人の手伝いをされてたのですね。先程のご年輩の方の事といい、優希はとてもお優しい方です」
マークはとても嬉しそうに、俺の頭を撫でる。
子供扱いかよ!
手を振り払いたかったけど、グッと堪えた。
「別にそんなんじゃない。………ただ俺が勝手にやってるだけだし」
恥ずかしさに堪えきれず顔を背けると、マークさんはクスッと笑って頭から手を離した。
「そうだとしても、やはり私は優しいと思います。友達もおばあさんも、優希の好意は嬉しかったのだと思いますよ」
次々出てくる誉め言葉に、顔が熱くなるのを感じる。
「そんなに褒めても、何も出てこないぞ!」
何でそんなにホイホイ恥ずかしい言葉が出てくるんだよ!
褒められ慣れてないからメチャクチャ恥ずかしいんだよ!!
マークさん相手に悪態をついてみるものの、クスクスと笑われて、スルーされた。
「別に、探さなくても、電話かけてくるだけで良かったのに。いや、むしろ、先にみんなで食べてて良かったのにさ」
「あ、優希の携帯は、お部屋にあったみたいですよ」
「えっ!?」
そんな……マジか!!
立ち止まってポケットやカバンをガサガサと探してみたが、やはり見つかるはずもなく。
何でよりにもよって、今日忘れるんだよ……。
「いつもより帰宅が遅いと聞けば、座ってなどいられませんでした。優希の事が心配で、食事が出来る訳がありません」
これ以上何か言われると色々ツライから、矛先を変えようと話をそらしたはずなのに……。
逆に、自爆した。
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