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18歳以上ですか?
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「私もね、最初はライアンさんの分だけフォークとスプーン用意してたんだけど、箸も使えるっておっしゃったから替えさせてもらったのよ」
母さんが汁椀を運びながら、事のいきさつを話してくれた。
「ねぇ、マークさん。箸の使い方、どこで覚えたの?」
席に着いた茜が、身を乗り出して話しかけている。
「アメリカに居る時に、和食のお店へよく足を運びましたので、その時に覚えました」
そういえば、朝の情報番組でアメリカの和食店の映像を何度か見た事がある。あれは、けっこう高そうな店だった。
日本に来る前に、店で箸の使い方も練習したんだろうな。
「へぇ、そうなんだ。でも、箸使うのって難しいでしょ?日本人も覚えるの結構苦労してるんだよ。マークさんは何歳くらいの時に使えるようになったの?」
茜はすごく楽しそうに話してる。
機嫌も良さそうだ。よかった。
マークさんと茜が楽しそうに話している様子を見て、胸を撫で下ろす。
「10歳の時にはある程度使えるようになっていました」
は?ガキの頃から?
もしかして生粋の金持ちなのか?
「えっ?じゃあ、和食のお店に行ってたのって、子供の頃からなの?」
俺と同様に茜も驚いているみたいで、さらに身を乗り出す。
「あーちゃん、服にご飯が付いちゃうわよ」
母さんが茜に注意すると、茜が慌てて座り直した。
「さ、とりあえず食べましょう」
母さんが声をかけて、みんなは食事を始めた。
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