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なんで……おとなりさんが謝るんだよ。
気付かない内に苦手意識も忘れて、おとなりさんの碧い眼をジッと見つめていた。
「私は……人が大勢集まる場所が苦手なので、日頃は電車を利用しません。しかし、あの日は事情があり電車に乗っていました」
あ……やっぱり普段は電車使ってなかったんだ。
それなら電車で会えるはずもない。
こうやって、俺がおとなりさん家を訪れない限り、謝る事も出来なかった訳か。
――来られて良かった。
今日だけは人使いの荒い母さんに、感謝しなきゃな。
神妙な面持ちのおとなりさんを見つめながら、俺は密かに胸を撫で下ろしていた。
「あの時は、私の髪や眼の色が珍しい為なのか周囲から好奇の目を向けられて、多少なりとも不快に思っていました」
おとなりさんはそう続けると、少し困った顔をした。
そう……だよな、嫌だよな。
あれだけ沢山の不躾な視線を送られたら、どんなに鈍い奴だって気付く。
それが、好意や羨望によるものだったとしても、遠巻きに見られるのは決して気持ちの良い事ではないと思う。
でも……あの時、あそこに居合わせた人達の気持ちも分かる。
こんなに綺麗な人、見た事ない。
まるでハリウッドスターだ。
いや、俺が知らないだけで本当にハリウッドスターなのかもしれない。
こんなに格好良いんだ。
俺がもし女だったら、きっと一目惚れして……
「平原くん?」
「……えっ?」
おとなりさんの呼び掛けに我に返ると、おとなりさんが心配そうにこちらを見ていた。
「大丈夫ですか?」
やばい。
話、途中から全然聞いてなかった。
何か質問されたのか、俺。
ってか、マジ、何で俺……。
目の前にいるおとなりさんが、真剣に話していたのに聞いてなかったなんて、マジで最低じゃん。
自分の血の気がサーッと引いていくのが分かった。
「気分が悪いのですか?」
「い、いえっ、大丈夫です!」
慌ててそう返したが、あの時同様おとなりさんは疑いの目をこちらに向けている。
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