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colorサイド②~オリジナル。フィクション
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コーヒーが苦手と言うとれいちぇるは
何のむ?
とだけ聞いた
ミックスジュース
バナナ多め
と答えたら
了解
ミキサーだかジューサーだかをガガガガ言わせて
お待たせ
息をのんだ
唐傘とか花火差しそうなグラスの縁に
れいちぇるは“木星”を差していた
気流の渦
大赤点
アステロイドベルトや衛星まで!
星が好きだと言ってたから
震える声で私は問う
衛星幾つ知ってるの
そんなには
エウロパ、イオ、ガニメデくらい
大きさも形も知らない
でも知ってるんだ名前まで
あたしは少し嬉しくなった
また来る
と言って去るのがせいいっぱい
相好は崩れていた
それから毎日通った
必ず読書室の方
本店には全く近寄らない
面白い本を教えてくれとねだると
ハインラインの「月は無慈悲な夜の女王」とか
ジョン・キャンベル・ジュニアの「月は地獄だ」とか、やたらSFをすすめる
でもあなたはブラッドベリとか読まなそう
読まねーよ
女々しいじゃん
そう言ってそうな沈黙で返すと
レイ・ブラッドベリ、女々しい感じするもんね…
聞こえたみたいな返事来た
一冊
読んでほしい本はあるのよ
D・R・クーンツの「黎明」
あなたの感想を聞きたいの
たまたま横にいた彼氏に聞くと
カレはネットで検索かけてくれて
数分で本はあたしのものとなった
ネット時代万歳!
読み終わるとキツネにつままれたような話だった
無神論者の建築家が、
徹底して神はいない、
来世はないという主張で生きていくのだが、
妻は事故で亡くなり息子は病で去ってしまう
息子は亡き母と再会出来るかと訪ね、
パパを待つ場所はあるかと問う
父は出来ない、ないと答える
そして…
無神論
あたしのは人間不要論
ちょっと違うんですけど…
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