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刑務所の中にいると、季節感が全く無い
でも、冬は寒いし夏は蝉の鳴き声が聞こえるんだろう
俺は、自由を手に入れたけど仕事だけはやっていた
理由は、出所した時お金が入るから
作業場に向かう途中、水溜りを見つけた
太陽に反射してキラキラ光る水溜り
そんな光景も久しぶりだった
葵は俺と同じ仕事をしていた
罪を犯す人には見えないけど・・・
そして休憩時間
「翔」
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
氷龍はいない
でも、喧嘩を売るような話し方ではないので葵を見つめた
「翔はさ、恋人とかいないのかな~って」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「いつも一緒にいる人を愛していないだろ?」
「どうしてそう思うの?」
「勘だ」
「勘ね」
「待っている人とかいないのか?」
待っている人
俺は楓を裏切った
傍にいると言いながら勝手に消えたんだ
「いないね」
「そっか~」
「と言うか、どうしてここへ?」
「まぁ、いろいろとだ」
「へぇ」
「でも言えるのはこの塀の中にいるやつらは全て罪人と言う事だな」
「そうだね」
そして休憩時間が終わり、作業に戻った
作業をしながらずっと楓の事を思い出していた
俺は何の為にここに来たんだ?
楓と心から笑う為にじゃなかったのか?
でも、今はもうそんな事どうでもいい
楓も俺の事なんて忘れているだろう
悲しい・・・
そんな感情も麻痺していた
ここでは強い者が有利なんだ
だから俺は氷龍に抱かれた
作業が終わり、部屋に戻る途中突然口を塞がれた
「んっ!」
「お前、最近随分偉そうだな」
そのまま建物の裏に連れて行かれ、数人の男達に囲まれていた
「氷龍のお気に入りかどうかは知らないが、俺にもやらせろよ」
「ううっ・・・うっ」
「早く脱がせろ!」
「ああ」
ズボンを脱がされ、押し倒された
「綺麗な顔だな・・・氷龍が気に入るのも分かるような気がするよ」
「いくぞ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「ぎゃーーー!」
俺は隠し持っていたナイフで覆いかぶさった奴の背中を突き刺した
氷龍がくれたナイフから血が流れ落ちる
そのナイフを抜き、微笑みながら言った
「勘違いしないでね・・・俺人殺しだから」
「ひぃ!」
「ただの人形じゃないよ」
「す、すまない!」
「そんな謝り方で許すと思う?」
ナイフで顔を切り裂き、蹴飛ばした
「助けて・・・・」
「翔、捜したぞ」
「ごめん」
「ひぃぃ!許して・・・」
「人の物に手を出すとはお笑いだ」
「ごめんなさいっ!お願いします、もう二度・・・・ぐっ」
氷龍は無表情のまま男達を撃ち殺した
正直驚いた
何で拳銃なんて持っているんだろう
「行くぞ」
「でも」
「死体は処理させる」
「・・・・・・・・・・うん」
はじめて人が殺されるのを見た
すごく怖いけど、違う感情もあった
ざまあみろ・・・・・ってね
そう思った時点で、俺は本当の意味での罪人なんだろう
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