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「新入りだ」
またか・・・
その言葉も聞き飽きた
「入れ」
足音がしない
でも部屋の中には居る
「鷺と言います、よろしく」
「よろしくな!」
最初に声をかけたのは葵だった
「よろしくっ!」
そして湊
でも、彼は黙ったまま俺達の目の前に立っていた
「よろしくお願いします」
「よろしく、俺は翔・・・で、彼が」
「氷龍・・・貴方のような人が無様な格好ですね」
知り合い?
「お前もな」
「ふふ、私はここに来た理由がありますから」
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
何、この空気
すごく張り詰めた空気
「止めろ、翔が怯えている」
「何もしていませんよ?」
「黙れ」
氷龍と対等に会話をしているなんて
「どうやらこの部屋は見えない壁があるようですね・・・では私はこちら側の人間になります」
「好きにしろ・・・だが翔には何もするな」
「ええ、わかっています」
綺麗な人だけど、何だか怖い
感情が全くつかめない
「今の氷龍のお気に入りは貴方なのですね」
「黙れと言っている」
「捨てられないように・・・でも、貴方ならきっと大丈夫でしょうね」
そっと頬に触れた手は異様なほど冷たかった
というか痛かった
あれ・・・
この人・・・・・
髪で隠れていた片目が義眼だ
「目が?」
「見えてしまいましたか?ごめんなさい」
「ううん」
「この目は彼に差し出したのです」
「えっ?」
「止めろ」
「そうですね、あまり気持ちのいい話ではありませんね」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・ごめん」
「いえ」
どういう意味?
氷龍に差し出した?
全くわからない
「彼はどうやって貴方を抱くのですか?優しいですか?それとも・・・」
「いい加減にしないか!」
「氷龍!」
彼の頬を殴った氷龍の手を掴んだ
「ふふっ・・・相変わらずですね」
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
「でも、嬉しいです・・・まだ殴りますか?」
「黙れ」
「クスッ」
何事も無かったかのように、その場から離れ床に座った
「・・・・・・・・・・・氷龍」
「昔の知り合いだ」
「でも」
「・・・・・・・・・・・・恋人だった時もある」
「そうなんだ・・・でも目は」
「俺が潰した」
「えっ?」
「俺を裏切ったからだ」
「じゃ、俺も裏切ったら目を潰されるのかな?」
「裏切る予定があるのか?」
「さぁ」
「まぁいい」
ホントは怖かった
もし裏切ったら殺されるかも知れない
本気でそう思ってしまったんだ
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