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深夜、小さな話し声で目が覚めた
話し声の主は二人
そう、氷龍と鷺だった
目を閉じたまま、その会話を聞いていた
「どうしてここに来たのか分かりますか?」
「・・・・・・・・・・・・・・」
「仕返しではありませんよ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「無視をするおつもりなら、全て彼にばらしますよ」
「何をだ」
「今まで貴方がやって来た事です」
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
「顔色が変わりましたね・・・見えなくてもわかります」
「何が目的だ」
「目的などありません・・・だた」
「何だ」
「貴方が私をこんな体にしてしまったのでしょ?・・・私はもう貴方以外の人には感じない体になってしまいました」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
「愛を求めたりはしません・・・ただ、体が欲しいのです」
「無理な相談だな」
「そうでしょうね、貴方は彼に夢中ですものね」
「わかっているのなら消えろ」
「そうは行きません・・・もう体が熱くてどうしようもないのです・・・お願い・・・抱いて下さい」
「ふざけるな」
「貴方の体は知り尽くしています・・・そうでしょ?」
「やめろ」
「嫌です・・・どんなに愛していても心と体は別物でしょ?」
嘘・・・
まさか俺を裏切るの?
「ほら、かたくなった・・・ふふっ」
「やめろと言っている」
「私が満足したらやめますよ・・・・・ああっ!」
何で・・・・
どうして?
「クソッ!」
「もっと痛みを」
いやだ
隣で二人が抱き合う声なんか聞きたくない
今起きればやめるの?
でも・・・・・・・・・・
「ああっ・・・そこっ・・・もっと・・・・はぅ!」
「黙れ」
「んっ・・・っ・・・・もう・・・イキそうです」
「・・・・・・・・・・・・・」
「あっ・・・・ああっ!!」
今、心の中に居あるのは憎しみ
悲しみはない
もう誰も信じない
俺は一人でもいい
だから・・・・・
「最低な男だな」
「翔・・・いつから」
「最初からですよね?」
「お前・・・知っていてわざと」
「もちろんです・・・ふふっ」
「翔・・・これは」
「黙れよ、もうお前の事なんか信じない・・・二度と俺に触れるな!」
「・・・・・・・・・・・・・何だと?」
「聞こえなかった?もう一度言おうか?」
「俺を裏切るのか?」
「その言葉、全部お返しするよ・・・お前なんか大嫌いだ」
「またみんなに犯される生活をしたいのか?」
「まだその方がマシだ!」
「翔」
「楽な仕事も暖かい布団もいらない・・・俺は氷龍を愛そうとしたのに・・・どうして・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「終わりだね・・・俺は向こうで寝るから、続きをどうぞ」
「翔、話を」
「黙れ」
布団を移動してそのまま目を閉じた
聞こえるのは鷺の満足した笑い声と、氷龍の溜息
二人の正比例した態度が滑稽だった
もう何もいらない
誰も愛さない
愛しても悲しいだけだ
こんな事なら楓の腕の中に飛び込めばよかった
でも、それももう遅い
だから一人で生き抜くしかないんだ
何があってもね
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