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居心地の悪い部屋で毎日過ごし、季節は春になろうとしていた
作業場へ向かうまでの道のりを歩きながら、春一番の風に乱れた髪を押さえた
風はまだ冷たい
でも緩やかに桜の蕾は膨らんでいた
穏やかな太陽の陽射しとどこからか聞こえてくる鶯の鳴き声
庭に咲いている沈丁花の甘い香り
その頃から俺は考えを変える事にした
このままではいつまで経っても外へは出られない
楓を見るのが辛いから、模範囚になって一日でも早くここから出たかった
そうすればいつかは忘れる日が来るかも知れないしね
ずっとそんな事を考えながら作業を進めた
相変わらず指は切るけど、もう慣れた
静かな部屋の中で聞こえるのは紙を折る音
そんな静けさを打ち消すような声で俺の番号を呼ばれた
何故?
「何ですか?」
「所長室へ行け」
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
「早くしろ」
仕方なく、席を立ち所長室に向かった
白い壁、長い廊下
ちいさな窓から空を見上げ、流れる雲を見つめた
重々しいドアをノックすると返事が返って来た
あれ・・・この声は
「失礼します」
「ああ」
「えっ・・・どうして」
そこにいたのは氷龍だった
少し混乱しながら平静を保つのに必死だった
「そんな事はどうでもいい、それより俺と取引をしないか?」
「冗談」
「俺の元に戻ればお前を今すぐここから出してやる」
「残念だけど遠慮する」
「何故だ、自由が欲しくないのか?」
「自由?ここを出てもお前が居る限り自由にはなれないだろ」
「戻ってくればいいだけの話だ」
「無理だね・・・もうあんな思いはごめんだ」
「もう二度とお前を裏切ったりしない・・・」
「悪党は必ずそう言うよね・・・答えはノーだ」
「わかった」
「じゃ」
部屋を出ようとしたら、氷龍が言った
「楓達に自由は与えない」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「お前のせいでな」
「やっぱ、悪党だね・・・そんな奴を愛してると言った俺を殺したい」
「いいのか?」
「俺には関係ない話だ・・・楓達がどうなろうと知った事じゃない」
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
「じゃ、これで・・・嘘つき野郎」
静かに部屋を出て、廊下を歩きながら考えた
あいつがここの所長なら何でも出来て当たり前なんだ
仕事も自由も、全てあいつが手を回したから出来たんだ
「ホント・・・悪党は嘘つきだね」
苦笑しながら作業場に戻り、作業を再開した
でも・・・もしあいつが楓達に何かしたらどうしよう
俺のせいでここから出られなくなったら・・・・・
氷龍は疑っているんだ
だから俺は楓を無視をし続けるしかないんだ
「振られ続けですね・・・お可哀相に」
椅子に腰掛けていた鷺が振り向いた
「黙れ、お前が来なければこんな事には・・・・」
「殺しますか?」
「クソッ!」
鷺を机に押し倒し、首を絞めた
「ぐっ・・・・っ」
そのまま無理矢理中に入り込み、更に首を締め上げた
「ぐはっ・・・・っ」
「苦しいのか?締りがよくなったぞ」
「ううっ・・・・ゲホッ」
首から手を離し、デスクの引き出しからナイフを取り出した
「この際両目を潰すか?いや、最初からそうしていればよかったんだ」
「・・・・いいですよ・・・・どうぞ」
こいつの態度が気に入らない
怖がりもしない
「うっ・・・・」
腕をナイフで切り裂き、流れる血を顔に擦り付けた
真っ赤に染まる鷺の顔
昔と同じだ
とても満たされる
苦痛に歪む顔を見ると心が軽くなる
デスクに置かれた画鋲を取出し体中に押し付けた
「ああっ・・・っ・・・・」
「痛いか?それとも気持ちいいのか?」
「両方です・・・・もっと・・・・いじめて」
ボールペンを尿道に突き刺し、画鋲だらけの体を抱きしめた
「ぎゃ!!」
体中血だらけだ
でも、体は満たされていた
「これを咥えろ」
「ぐぎぃぃ・・・・ぎゃーー!」
この叫び声が快感に変わる
薔薇の棘で更に真っ赤に染まる体
「まだ5本だぞ・・・全部と言ったんだ」
「ううっ・・・・はい・・・っ」
一気に残りの薔薇をねじ込み、深く突き刺した
「ぎゃ!!」
「どうだ、気持ちいいだろ?」
「ううっ・・・・っ・・・・」
薔薇を掴んでスライドさせながら髪を掴んだ
「ぎゃ・・・・ああああっ・・・・・うっ・・・・」
その薔薇を一気に引き抜き、血だらけの中に突き刺した
「ああっ!」
「どうした」
「いいっ・・・・ああっ・・・・っ」
俺の体も血だらけだ
なのに欲しくて堪らない
気を失うまで痛めつけ、何度も吐き出した
床に転がる体を無視して、部屋から出てシャワーを浴びた
排水溝に流れる赤い血に俺はいつしか縛り付けられてしまったのか?
まさかな・・・
そんな事を認めるわけにはいかないんだ
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