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痛い優しさ 3
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しばらくグラスを拭きながら、光邦さんと他愛もない話をしていると、店のドアが開いた。
「いらっしゃいませー」
光邦さんと、声が重なる。
ドアの方を見ると、せんせーと蒼羽さん。
びっくりして、思わず持ってるグラスを落としそうになった。
「どちらに座りますか?」
光邦さんがいつも通り穏やかな声で呼び掛ける。
「カウンター。それと、草薙呼んでよ」
ああ、そういえば、蒼羽さんと店長は知り合いだったっけ。
挨拶にいこうか迷ってると、光邦さんが伝票をもって戻ってきた。
「俺店長呼んでくるから、ルリあのテーブルのドリンクよろしくな」
「はーい」
手早くオーダーを受けたハイボールと、ウーロン茶を作って二人の席に向かった。
「お待たせしました~。ハイボールとウーロン茶です」
「あ、あの時のおチビじゃん」
「蒼羽さんお久しぶりです」
「うん。久しぶり。どうしたの、その不細工な顔」
ストレートな言葉に思わず吹き出して笑った。
普通に怪我どうしたのって言えばいいのに、この人のこーゆーとこ、結構好き。
「階段から転げ落ちちゃったんですよー」
「ああ、そう。どんくさいね」
にこっと綺麗な笑顔で毒を吐く蒼羽さんに「えー」と、笑いだけを返す。
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