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feb.13.2017 SABUROのバレンタインは一日早いのです/トアと坂口さん 2
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「待ち合わせもいいですね。」
トアさんの言葉に私も頷く。一緒に家を出てもよかったけれど、私は買い物をしたかった。それに少しお洒落をして出かけたかったし、支度の時間はトアさんよりもかかってしまう。それで13:00に待ち合わせをした。
天気がよくて気温は氷点下を抜け出している。雪が溶けだし汚れとともに路面を覆っていた。車が泥水を跳ね上げるので、狭い道は歩かないほうがいい。このまま春が来ると錯覚してしまうけれど、そんな事はない。また氷点下や大雪の日が戻ってきて冬景色に戻ってしまう。それを繰り返していくうちに春になっていくのだ、のろのろと少しずつ。
「今日は何を食べましょうかね。僕の気分としては肉なんですよ。」
「実は私もです。利休で牛タンはどうです?」
トアさんがニッコリ笑った。
「大賛成です。パセオよりメニューが多いので赤れんがテラスのほうに行きましょう。」
「お散歩にはいい距離だし。」
「お散歩日和です。」
トアさんの手が伸びてきて二人の手が繋がった。手を繋ぐのが初めてだった私はトアさんの顔を見てしまう。照れた顔はプイと横を向く。握られた手に少しだけ力がこもった。
「繋ぎたくて・・・。」
「嬉しいです。」
トアさんの耳が赤くなった。
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