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その2
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「そんな迷惑そうな顔しなくてもいいのに。」
よし兄さん・・・なんて呼べばいいんだ、おにいさん?それは違うだろう。何ヨシなんだろ、この人の名前。
「ところで、ハル。お前サトが好きなわけ?」
「好きっていうか・・・振られてるんですけどね。ほっておけないというか、僕が纏わりついているというか。片思いが突き抜けて違うものになったというか・・・。本気で理さんの幸せを願っている・・・な感じです。」
「じゃあ、僕といっしょだね。」
「一緒ですか。」
「サトを好きすぎて超かわいい。」
「・・・それ奥さん知っているのですか?微妙な感じに聞こえますけど。」
「知っているよ。それ以上に僕の紗江に対する愛の大きさをわかってくれてるからね。」
ペースに飲まれてしまう・・・主導権を握ることを諦めた。
「で、サトの幸せってなに?」
「・・・そんなの本人から聞いてくださいよ。」
後頭部をスコーンと叩かれた。
「イタ!なんすか!」
「ハル・・・君はまだまだだね。サトが何のために連れてきたと思ってるの。」
「・・・?散髪?」
スコーン(けっこう暴力的だ!)
「何って、伝書鳩に決まってるだろうが。自分で言うのが照れくさいから、ハルを連れてきたの。」
「そんなことヒトっ言も理さん言ってませんでした!」
「お、いっちょう前に反抗するんだ~」
「反抗じゃないですよ!事実を言ったまでです。」
スコーン(脱力・・・)
「サトのことは俺のほうがよくわかってるの。その俺が言うんだから間違いないの。ということで吐け。
洗いざらい・・・吐きました・・・いえ、吐かされました。
「その飯塚って男、どんなヤツなの?」
「よく知りませんよ、見た目は超男前ですけどね。中身はどんなんだかわかりません。」
「ふむ・・・」
「でも理さんが好きになるぐらいだから、悪い人じゃないと思いますよ。笑うと優しい顔になるし。」
「笑うのか。」
「僕らコンビニ君には眉間にしわよった顔しかみせませんけどね。理さんには柔らかいですよ。」
「ハルはけっこう観察力があるな。決めた。」
何をデスカ。
「スパイ決定。サトは3週間に1度髪切りにここにくるから、ハルもついてきなさい。その時報告すること。」
「・・・・何をってわかりきってますが、いちおう聞きます、報告って?」
「もちろん、その男前の近況にきまってるだろ。」
「コンビニ買い物風景以外報告できませんよ?」
「それで十分だ。決まり。」
「・・・はい。」
どうやって抵抗しろというのだ、この人に。
「じゃあ依頼主になるわけなので、すいませんが名前を教えてくれませんか?僕なんて呼べば?」
「僕は由樹なんだけど。両親と紗江が由樹ってよぶから、それはダメ。サトがよし兄って言ってるからそれもダメ。それ以外ならいいよ。」
「わかりました、じゃあタケさんで。」
「・・・は?」
「婿養子で使い慣れてない苗字、あえて使わせていただきます!」
せめてもの俺の反抗だ!ざまあみやがれ
スコーン
「上等だ。ハル、お前面白いな。気に入った。」
チュ
ほっぺにキスをサレマシタ
理さんに渡したクランキーがきっかけで
なんだか僕の世界が広がっているような・・・気がシマス
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