アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
january.25.2016 ハルの休日
-
あああ・・・・、なんとも不思議な読後感。
この作家さんは間違いなく僕の好物さんだ。
枕元に転がっているスマホを手に取ってみれば、時間はもうすでにお昼過ぎ。僕のお休みがもう半分無くなってしまっている。でもそれなりに充実した時間だったから、まあいっか。
お腹がすいたし、動きださないといけない。
エイ!と布団を跳ね除けると、あまりに寒くてびっくりした。ストーブ!ストーブ!
結局ストーブをつけてベッドの中に戻る。「部屋が温まるまで。しょうがないよ、寒いんだから。」と言い訳しながらヌクヌクと布団にもぐりこむ。
どうりで指先が冷たいはずだ。
最近僕はすっかり「飯塚文庫」のお世話になっています。理さんに言われちゃいました。「引っ越しするってことは物を捨てまくることだぞ?ついでに本なんか重いしかさばるし引っ越しの難敵だ。ちゃんと整理しないと。」
うぐぐ・・・。
痛い所を突かれました。本、捨てられます?僕は捨てられない。古本屋に売るという手もありますし、以前そうやって手放したこともあります。でも引き取られる金額が10円とかじゃないですか。いや、確かに文庫本ですから仕方がないのは理解できます。友達は不用品を引き取ってもらってお金になるから一石二鳥だって言うけれど、僕にはそう思えない。
その1冊の本にワクワクしたり、ドキドキしたり、泣いたり、笑ったりするわけです。その本の中に時間はちゃんと流れていて、登場人物が生きている。なんだかね、そういう物語への僕の想いが10円とか言われると・・・なんだかションボリしませんか?
だから古本屋に行くたびに気持ちが落ちるくらいなら本棚に並べておこうと思ってしまうわけです。たまに読み返したりするし。だから本は貯まる一方で減る事はほとんどありません。貸した本が返ってこないくらいしか減る理由がないわけで・・・。
だからこの本は引っ越しの時にも持っていく気マンマンです。
理さんとのやりとりを聞いていた飯塚さんが次の日、本を何冊か持ってきてくれました。
「理と意見の相違はほとんどないが、こと本に関しては完全に不一致だ。」
「はあ・・・?」
「『埃が被っているくらい手にしない本をどうして棚に入れて置くのか理解できない。古本屋に売って新しい本を買う足しにすればいいのに。』そう言うんだよ、理が。どうしても捨てたり売ったりする気にならないという俺の気持ちをわかってくれない。
ただ引っ越しの時には少し整理したほうがいいかもしれないな。だからそれまでは俺のおすすめを読んでおけよ。本屋に近づくなよ?行ってしまったら絶対買うことになるんだから。」
というわけで。僕はその日から「飯塚文庫」のお世話になっています。これまでもチョクチョクお世話になっていたので、なんとなく飯塚さんの好みは把握しているつもりです。ちょっと雑食の気がありますけどね・・・(本人には言えません!)
前に借りたドン・ウィンズロウは全部読みました。飯塚さんの読む順番が大事だという事で「ストリートキッズ」からスタートして「犬の力」に来たときはびっくりです。同じ作者ですか?というぐらいの違い。
飯塚さんに「犬の力」を返した時、それはもうニヤニヤして嬉しそうでした。「驚くだろう?全然違うし、それで次はこれ。」そして「野蛮なやつら」を渡されて読んでビックリ。えええ~文体も何もかもまた違っているんですけど!という飯塚レッスンにより、ドンさんは完璧にコンプリートしました。
あのロシアのは正直読むのが辛かった。辛いのに止められないという苦しい読書。何かに掴まった感じでしたね。シリーズは3作あるのですが一番最初の「チャイルド44」が一番よかったかな。新作がでて飯塚さんが大喜びで買ってきたので、これはまたロシア攻めに合うのかと覚悟しました。でも全然何も言わないので、聞いてみました。「最悪だ。読む必要はない。」という返事と表情から、かなりのがっかり作だと推測できます。わかります、大好き作家のガッカリ作品。ヘコミます。
ドンさんに続く飯塚レッスンは「ジョン・ハート」という作家さん。これですね、ウキウキするとかワクワクするタイプじゃないのです。暗いというか、ジメジメしているというか・・・家族はどこもかしこもバラバラ。
ミステリにジャンル分けしていいのだろうか?というくらい人間関係に重きをおいたといいますか、丁寧に書かれてるといいますか。崩壊している家族や人間関係ばかりだというのに、読んだあと気が滅入らないのです。余韻・・・なのかな?なんか本当に読んでよかった感が湧き出てくるような感じといいますか、なんといいますか。
今の所、飯塚レッスンでは「キングの死」とさっき読み終わった「川は静かに流れ」の2冊です。次がとっても楽しみ。今度はどんな展開の物語なのかな。
やっぱりこういうワクワクとか読んでよかった感を10円では売れない。
ベッドの中から本棚を眺めて気が付いた。そういえば僕の家具らしい家具はこれだけです。この本棚を持っていくとなると、引っ越し屋さんを頼まなくちゃいけないってことですよね。引っ越し屋さんっていくらかかるのかな。本棚といってもニトリで買ったカラーBOXが3つです。捨ててしまったほうが断然安上がりに違いない。
ボフン!と布団を跳ね上げて、向かう先は本棚。とりあえず本を全部出してみましょう。
おわ~懐かしい、P・コンウェルが奥から出てきた。途中から読むのやめちゃったんですよね。だって生きていたとか言われてもね(何のことかわからないですよね。)そのあたりから買わなくなったな。
カトリーヌ・アルレー!「わらの女」を読んでからすっかりはまっちゃって、随分読んだなあ。
ルース・レンデル!エリザベス・ジョージ!
なんだか・・・女性ばっかりですね。いやいや、ちゃんと男の作家さん作品も揃っていますよ。たまたままとまってここに入っていただけで。
懐かしいな~とかペラペラしていたら、尽きない読書愛がザバザバ噴きだしてきた!
『ジョン・ハート最高です!どんどん読みますから貸してください!』
飯塚さんに勢いでメールをしてしまった。
それも思いっきり用件のみ・・・。お疲れ様ぐらいつけるべきだったと反省。
ぐうううう~きゅるるる~
おなか・・・すいた。
冷蔵庫は空っぽだから買い物にいかなくちゃいけない。日々の賄にくらべて休日の僕の食事はわびしすぎます。そうか、引っ越ししたら、休みもミネさんの御飯があるってこと?それって最高!
あれ?・・・いつまで・・・僕はミネさんの家にいられるんだろう。
ミネさんが結婚するまで?
彼女さんができるまで?
ミネさんの傍に居られるって、無条件に喜んでいたけど、これって不確定要素が多すぎる。絶対僕の気持ちが透けないようにしなくちゃいけないですね。気まずくなったら一緒に居られなくなるってことだ。バリバリのノンケなミネさんとうまくいくことなんか有り得ないだろうってわかってます。
だから一緒に居られる時間が費えるまで僕は笑って過ごしたい。
沢山を望んで欲張りにならなければいいだけのことだ。
美味しいですって食べて、掃除をして、海外ドラマを見て、ニャハハ~って笑うミネさんを見詰めよう。
近くにいれるっていう幸せを満喫しよう。
ほっぺたをペチペチして気合いを入れた。
男は根性!前進あるのみ!
コンビニいって買いものをして、ついでに粗大ゴミのシールを買う。
残りの休みは楽しいことだけを考えて過ごそうか。
・・・できるかな。
ソーセージを買ってトアさんの所に遊びにいこうかな。
楽しくなっちゃう映画を見せてもらえるかもしれないよね。
そうしよう!
スマホをとってトアさんの番号を呼び出す。
「あ、トアさん?ええと、今日・・・遊びに行ってもいいですか?・・・はい。・・・うん。うん・・・・」
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
170 / 474