アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
Koe not temptation…4
-
満足したかと言わんばかりの北山さんはシャワーでさっと痕跡を洗い流すと、もう一度抱え直しふわふわのバスタオルで俺をくるんだ。
「ったく、手間掛けさせるな。サルでももう少し自制するぞ」
「アンタも俺の弱いとこ突っついただろ!」
「へぇ、弱いところだったんだ。覚えておくよ」
「~~ッ!」
北山さんに何を言っても揚げ足を取られるだけで、俺はふいとそっぽを向いた。
手玉に取られるなんてほんとに釈然としない!
「何だ、年相応の顔も出来るんだな」
「はあ?」
「そうやってればもう少し可愛げがありそうなものを……」
犬猫みたいにガシガシとタオルで頭が拭かれると、タオルで視界が遮られた。
でもその拭き方がさっきよりも心なしか優しく感じて、さっきまでの皮肉たっぷりな態度とのギャップに少し戸惑う。
タオルの隙間から見えた口元が少し笑っているようにも見えて、まあ機嫌がいいなら黙っておこうと俺は口を噤んだ。
いつの間にか用意されていた服に着替えると、広いリビングに通される。
好きなものを聞かれ、ふわとろのオムライスなんて言ってしまったのは失敗だったけど(ひどく笑われてしまった)、北山さんはオーダー通りのものを作ってくれた。
片手間で料理人やるだけのことはあるなと関心してそれを食べていると、味もやっぱり美味しくて、この人にいろいろ才能与えすぎでしょと心の中で悪態をつく。
「美味いだろ?」
「……仮にも料理人がマズいの作ったら問題だと思うんですけど」
「口に合ったならそれでいいよ」
北山さんはクスクスと笑いながら口元に手を当て、じっとこっちを見る。
一挙手一投足、すべて見られているようで落ち着かなかったけど、オムライスに罪はないのでそのまま何とか平らげた。
ごちそうさま、と一応礼を言うと北山さんは口をポカンと開け、一瞬フリーズする。
俺は何か変なことでも言ったかなと首を傾げて彼を見た。
北山さんは自分の髪をわしゃわしゃとかき回し、俺とは視線をあわそうとしない。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
52 / 54