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No way…11
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快楽にすっかり蕩かされ、一時的とはいえ意識を手放していたことに驚いたけど、特に拘束されているわけでもなく自由に動くことが出来た。
とりあえず今は状況を把握しないといけない……のにあれ?
「ない……」
外部との連絡を取ろうとポケットに手を入れたら、そこに確かにあったはずのスマホが消えていた。
これでは自分の状況を誰かに伝えることは不可能に近い。
不意に額に汗が流れた。
これは本当にやばい状況なのだと本能が言ってる。
えええこれってなに? 軽い誘拐とか拉致監禁とかそう言う類いのやつ??
まさか自分の身に起こるとは思ってないしああどうしよう、としか考えられない思考状態で不意に視線を感じた。
「おはよう、お目覚めかな?」
目の前には紳士的に笑う一人の男──北山さんがいた。
その瞳には俺が今まで出会ったことのない欲と仄暗さが宿っていて、反射的にベッドの上で後ずさる。
怖い。
でももう逃げる場所なんてない。
一歩一歩詰められる距離と比例して、体が冷えていく。
もうダメだ、俺はこのままセックス漬けにされるんだ、とどこかで読んだ陳腐な官能小説みたいなことを考えた。
でもそれもまた俺の人生なのか。
ああ淫蕩な性格が災いしたな、と反省しながら目を閉じた。
愛情を求めないようにしてもダメなら、もう俺はいっそ何も考えずに生きていくしかないのか。
本能のまま快楽だけ求めて、誰かのいいなりに囲われて、喘いで暮らせば。
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