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Just want…2
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「こんばんは。口に合いました?」
こっちの立場はお構いなしに、まさにいかにも~な営業スマイルで悠長に挨拶される。
くっそ、絶対この人性格悪い!
第一印象はただの紳士的なイケメンだったのに……。
「あ、ヒロ。この子は広瀬皐月くん。バーで知り合ったら意気投合してさ!」
「へえ……」
曖昧な返事と同時に舐めるような視線を感じた。
目を合わせなくても北山さんがさっきの営業スマイルのまま、俺をじっと見定めているのが手に取るようにわかる。
存外、さっきの夢はもしかして正夢になったりしないよな……なんて思ってしまう。
そんくらい、ねちっこい視線だった。
「……あっと、俺、デザート来る前にトイレ行ってくる。ちょっと飲み過ぎたみたい」
「大丈夫? 体調悪いなら無理しないようにね?」
「へーきへーき!」
俺はそんな北山さんの視線に耐えきれず、席を外した。
あのままいたら気い狂うっつの。俺はそこまで鈍感じゃないし。
トイレでぺちぺちと自分の頬を叩き、気持ちを切り替える。
大丈夫、このままやり過ごせば問題ない。
達哉さんにバレないように帰ろう。よし、いける。俺なら出来る!
「ずいぶんなご挨拶だね。知らんぷり?」
自分のことにいっぱいいっぱいで、入り口にいる北山さんの気配には気付かなかった。
つーかシェフがこんなところで油売ってていいのかよ。
キッチンに戻れって……。
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