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See what happens…3
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「ちょ、ちょっとどういう飲み方してんですか!」
空になったカミカゼのグラス。
血相を変えて飛んでくる葛岡くんが少しだけ視界で揺れた。
カミカゼはロングカクテルという、いわゆる『ゆっくり飲む』カクテル。
そして小さな可愛いカクテルグラスに入っているのは、大概ショートカクテルと言われる『短時間で飲む』カクテル。
しかも、カミカゼは少し度数が高いから俺みたいな酒に逃げるタイプは、ゆっくり飲まないと酔いやすかったりする。
分かってたけど、やっぱりちょっと一気飲みはやり過ぎたかもしれない。
飲んでからじゃもう遅いけど、何だか脳ミソがふわふわしてる。
難しいことは考えられなくて……というか難しくなくても何も考えられなくて、まもなく俺は思考を停止させた。
「もう……何で一気飲みなんかしたんですか! いつもしないから大丈夫だと思ったのに今日に限ってやらかすとか何なんですか……僕に何か文句でもあるんですか!」
怒ってるなら俺に構わなければいいのに。
「……別に怒ってませんよ。怒ってるとしたら、自分自身にですから和泉さんは悪くありません」
あれ? 声に出てた?
何だかよくわかんなくなってきたな。
「あー、もうだいぶ回りましたね……仕方ない。よいしょっと……」
ん、何だか体が軽い……もしかして運ばれ……てる?
葛岡くんて力持ちなんだなあー!
「……っと、少し横になれば楽になるでしょうから、今日は閉店までここにいてください」
寝かされたのはおそらく従業員用のソファー。
目元には冷たいおしぼりをあてがわれて少しすっきりする。
気持ちいいなあ。
「そんな片想い、キツイならやめたらいいのに……苦行僧じゃないんですから毎回自分を痛めつけるのやめませんか?」
「そんなんできたら、くろーなんかしないの! こいなんて、きづいたらすきになってる。しゃーないんだよ……おれだってもーやめたい! やめたいよ!」
「……やめさせてあげましょうか?」
「どうやってー?」
「和泉さん、僕と恋愛しましょう」
その一言で、ぼんやりしていた思考がハッキリした。
恋愛……? 俺と葛岡くんが? 何で?
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