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Koe not temptation…2
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「じゃあ何で俺のこと抱いたの」
ふと頭に浮かんだ疑問を投げかける。
金も地位も名誉もあって、しかもイケメンの部類に入るであろう容姿を持ち合わせていて、おそらく『こういった』相手は選び放題のはず。
あえて男を抱かなくても美人な女をいくらでも抱けるはずだ。
そう、別に俺である必要はない。
「似てるから」
「誰に?」
「広瀬くんは質問ばっかりだね」
「知りたいと思ったらダメなわけ?」
「そんなにあれこれ答えが欲しいならその分、きちんと対価を差し出して貰わないと」
北山さんは吸いかけのタバコを消し、笑いながら部屋を出て行った。
背中には俺がつけたと思われる爪痕が赤くなり、昨夜の行為を思い返させる。
似てるって誰に?
そう思ってしまったからには頭からその疑問が消えない。
答えに対する対価、なんて言われても学生の俺に差し出せるものなんて何もないわけで、要するに「教えられない」と遠回しに言われたも同然だ。
「好き勝手しやがって……」
俺は衝動的に側にあった枕をサンドバッグのように殴った。
そうでもしなければ冷静になれそうにない。
埃が舞っているだろうけどそんなことはお構いなしだ。
「人ん家のものにあたらないでくれる?」
気付くとシャワーを浴びてきたのか濡れた髪の北山さんがこちらを見ていた。
毎回思うけど、この人は気配っつーものがないのか気付くとそこにいてちょっと怖い、
「枕に当たってないで、シャワーでも浴びてきたら? ……ああ立てなかったら運んであげるけどどうする?」
「っ、立てる! ほっといてよ!」
悪戯が見つかった子どもみたいにバツが悪く、ムキになって立ち上がろうとしたら膝がカクンとなって倒れかけた。
倒れずに済んだのは北山さんが抱き留めてくれたから……なんだけど強がった手前、素直にお礼を言うのも何だかむかつく。
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