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『和泉?久しぶりだな』
アキの声は僕の涙腺を刺激する。涙はこんなに簡単にでるもじゃなかったはずなのに。
『アキ、あ、あのさ、明日は休み?今は家?』
『あ~休みだし家だけど。』
『これから行ってもいいかな、DVDも持っていくし・・・。いや、あの、予定があるのならいいんだけど・・・』
たぶん変におもわれている。こんな風にアキのところに押しかけたことがない。
時計を見るとまもなく11時になろうとしている。
僕は随分部屋で考え込んでいたらしい。
『地下鉄ギリだけどこれるか?飯は食ったか?』
『お腹は、あ~食べてない・・・。地下鉄は大丈夫だし。いってもいいかな』
『このまま寝るか何か読むかどうしようかと思ってたとこだったんだ。途中でワイン買ってきてくれよ』
『うん、わかった』
『早く家出ろ、地下鉄なくなるぞ、じゃな』
僕の家にワインはないから、途中で買わなくちゃいけない。
それとDVDを持っていくといってしまった。途中レンタルによる時間はないし・・・。
そういえば、この間借りたDVDがあった。おすすめだといって会社の女の子が貸してくれた。
それはトニ一・レオンの恋愛もので、ものすごく彼がいいらしく、絶賛していた。
でも僕は一人でトニ一・レオンを見る気がしなくてそのまま放ったらかしにしていたんだ。
フランスの恋愛映画だったら、今の僕にはしんどいけど、これはきっと素敵な話に違いない。
だって女の子のお勧めなんだし。
まだス一ツを着たままだったことに気がついて、セ一タ一とパンツに着替える。
DVDと財布をト一トにつっこんで、携帯を握って家をでた。
色んなことから開放されるような気がして、僕は地下鉄に向かって足を速める
外の寒さは気にならなかった。
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