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お泊り 12
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牧野の家で二人で過ごす時間というのは、嬉しくもありドキドキもする。だが、よく考えろ。昨日の夜と今日の朝にキスをした事以外を考えると、俺たちは普通の友達同士のやり取りしかしていないんじゃないのか?
①牧野の家でお家デート
→ただのテスト勉強会
②一緒にラブラブ昼食
→ただの昼ごはん
……解釈次第だとは思うんだが、なんというか、もっと恋人同士らしいことができたらいいのに。
「日坂、手が止まってる。」
「え?!」
「え、じゃない。」
歴史の解説を受けながら、間違った箇所を書き直している最中だというのを忘れていた。牧野は少し不機嫌そうな表情をしている。
怒らせてしまったかな……
不安になりながらごめんと言うと、部屋の窓から見える景色を見始めた。
「お前さ……」
やばい。これは本格的に怒らせたかもしれない。
無表情になって外を眺める牧野の心が読めなくて怯える。
「お前さ、そんな可愛い顔してボケっとするなよ。」
「?」
牧野はこちらをちらりと見てフッと笑った。
えと……可愛い?
俺、男なのに??
戸惑ってなにも言い返す言葉が見つからない。
「日坂、昔の人は、どんな気持ちで恋愛をしてきたんだろうな。」
優しく、にこりと微笑んでいるその表情に、俺の心臓はトクンと音を立てる。
「昔の人も、現代人も、同じじゃね?」
顔が熱い。俺は、冷静なふりをしてそう言い返してやった。
「そうか。それなら、現代人同士の俺と日坂はもっと同じ気持ちだということだな。」
「は?」
「お前も、考えていたんだろう?」にやりと笑う姿。次第にその顔は近づいてきて、俺の耳元まで来た。
牧野は言う。
「一緒に入れて幸せだな、と。」
直ぐに牧野の方を見れば、唇にキスをされた。
悩んでいた俺って、オムライスにも書かれてしまった通りの馬鹿なのかもしれない。友達同士なんかじゃない。俺たちは、充分恋人同士なんだ。
そして、同じようなことを思っていることにも、嬉しくて、こそばゆくて、笑ってしまう。
俺も、答えるようにキスをした。
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