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その後
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「何をそんなに拗ねているんだ」
あの後気を失った俺は服を着ていた。袖とかが若干ぶかついているのを見ると、恐らくこの服は牧野のものだろう。
「拗ねてねぇよ。ただ、腰がありえないほど痛ぇーの」
枕に顔を埋もらせて、うつ伏せ状態から動けないでいる俺。もう、痛いのなんのって、腰とか尻とかマジで違和感半端ない。
「……悪かったな、日坂」
「え?」
精一杯の力を振り絞って牧野のへ振り向くと、すまなさそうな顔をしていた。
やめてくれ。
どうしてそんな顔をするんだ。
「喉渇いていないか?」
「まあ、渇いてるけど」
「ほら」
500mlのペットボトルを差し出してきた牧野。俺はそれを受け取らずにただ、その手を見つめた。
「日坂?」
いつまでも受け取らない俺を不思議に思ったのだろう。俺の顔を覗き込む牧野。俺は急いで枕に顔を埋める。
「痛くて、飲めないのか?」
「痛い」
「そうか」
ギシりと、ベッドが鳴る。牧野が座った方に少しだけ傾く。
“カチカチ”
ペットボトルのキャップが開けられる音がする。
ごくごく
え?
「ちょ!」
結局お牧野が飲むんじゃねーか! そう言おうと体を起こすと……
「んっんぐっ」
顎を掴まれて、深い口づけをされる。生ぬるいお茶が、口の中に注がれていく。
ごく、ごく
お茶がなくなったあとも、離してくれない。苦しくなって、胸を叩けばようやく離れる唇。ぜぇぜぇと空気を必死で取り組んでいると、牧野がフッと笑った声が聞こえた。
「これで、喉は潤っただろう?」
「だからって、さっきのはっ」
「ずっと拗ねてるお前にイラっとしただけだ。いつまでも枕ばかり見てないで俺を見ろ、日坂」
「なっ!! だから、拗ねてないって! ただ……」
「ん?」
「ただ、お前が謝ったのが嫌だったからだ。お前に謝られたら、俺……」
牧野の手が俺の頭に来て、優しく髪を撫でる。
落ち着く。
そして、熱い。
「俺もさ、牧野としたかったんだから……だから、謝んなよな。」
ああ、俺、恥ずかしくて死ねる。
顔をまた枕に埋める。
「……そうか。すまなかったな。」
「ほら、また謝ってるし!」
「すまない。」
「……ばーかっ」
さっきまで俺の髪を撫でていた手が止まる。やばい、怒らせたかな。そう思って恐る恐る牧野の方へと目をやる。
!!
笑っていた。
すごく、優しい微笑みに安堵してしまう。
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