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追いかける
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「お前さ、アイツと絡んでどうしたいの?」
ケラケラと笑う明。
ムカつく。
「俺はアイツと仲良くしたいだけだ。それの何が悪いんだよ。」
「は? お前とアイツとじゃ全く違うじゃん。」
違うって、何が違うんだ。
俺はさらに苛立ちながら言う。
「一緒だ。」
すると、鼻で笑う悪友。
「どこがだよ。さっきお前らが飯食ってるの見てたら、お前だけベラベラ喋ってるみたいだったぞ? そんなんで仲がいいとか笑えるわ。……と、そんな顔で睨むなよ。」
「俺は待ってんだ。」
「何を?」
「牧野と会話できるのを。」
俺が真剣にそう言うと、腹を抱えて笑い出す目の前の奴。俺は苛立って舌打ちをしてしまう。
「お前、いつからそんな奴になっちゃったの?」
イラついた。
何にって?
俺を鼻で笑っていることでなくて、アイツを……牧野を馬鹿にしていることに苛立った。
もういい。コイツを相手にしていてもなんにもならない。
俺はそう思い、荒々しい音を立てながら椅子から立ち、食器をお盆ごとカウンターに返しに行く。
「ごちそうさま。」
不機嫌にそう言いながら、足早に教室へと戻る。
明は、ただ俺を見てつまらなさそうにしていた。ただそれだけだった。
誰も牧野の良さをわかっちゃいない。
それが悔しい。でも、アイツの良さを知っているのは俺だけでいい。
次第に早まる歩み。柄にもなく、階段を駆け上がる。
早く君に会いたい。
牧野。
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