アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
家にて 2
-
風呂から出ると、リビングには部活から帰ってきていた弟がいた。
「お帰り。」
くたびれた様子でソファーに体を預けていた弟へと声をかける。
「ああ、ただいま。」
3歳差の俺の弟は、日坂架(ひさか かける)という。
「風呂、もう俺上がったから入ってこいよ。」
「うん。」
素直に着替えを取りに自分の部屋へと移動しようとする弟。
そう言えば、こいつには恋人がいるんだったな……
ふと、すれ違う時に聞きたいことが出てきた。
「架。」
「何?」
俺よりも小さな背の弟は、足を止めて俺の方を振り向いた。
「お前、恋人がいたよな?」
「……そうだけど。」
「あの、さ。」
「だから何?」
質問をためらっている俺に、苛立ちを顔に表しだした。
「その、お前からその子のこと好きになったのか?」
「は? いや、向こうから……だったけど。」
怪訝な顔をされる。
「そう、か。何でお前はOK出したの?」
あ、眉間に皺が……
答えてくれないと思ったその時だった。
「嫌じゃなかったから。」
弟は俺に一言そう述べて自分の部屋へ着替えを取りに向かって行った。
「嫌じゃ、なかったから……か。」
我ながら納得してしまった。
それじゃ、俺は牧野の気持ちを受け入れたほうがいいのだろうか。
俺は、牧野を好きになるのだろうか。
友達としてではなく、恋人として。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
30 / 130