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リセット 2
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日直は、授業が終わる度に日誌にその授業内容とクラスの雰囲気を書かなければならない。残念なことに、日誌は今俺が手にしている。
一人で書いてしまおうかと思ったが、その日誌には二人分の記入欄があった。
本当、いい迷惑だ。
俺はパパッと書き終えて、牧野の席へと歩く。
「おい、牧野。」
あれ?
「牧野。」
二度目にして漸く顔を上げた。
無視をされたかと思ってヒヤリとした。
「今日、日直だろ? だから、さっきの授業の分の日誌書いて。俺の分はもう書いたから。」
牧野は、口を開かないまま。
ただ黙って興味なさそうに日誌を手にとった。
「牧野?」
返事はない。それどころか、こっちを向いてくれない。
それじゃまるで……
「次、俺から書く。」
ぼそりと下を向いたままの牧野がそう言った。俺はそれ以上かける言葉もなくて自分の席へと帰った。
まるで、お前と俺が初めて話した頃に戻ったかのようだ。
何で?
ぽっかりと、心の中に満たされていたはずの何かが無くなった感覚に陥る。
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