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経験値の低さ 5
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弟に説教をされた後も飄々とご飯を食べ続ける事ができるほど俺は図太くない。気まずかったため、急いでご飯を掻き込み身支度を簡単に済ませて外へ出た。お陰でいつもより10分早い登校になってしまった。
「まあ、牧野に早く会えると思えばいいか。」
そう言えば、牧野と友達になってから俺の生活はガラリと変わったな。それから恋人にもなれたし。
ふと、パン屋が目に付いた。だが、そこには誰もいない。
「よかった。」
昨日の今日だけど、井成がそこで待っていそうな気がしてまう。だから、ついつい警戒してしまった。でも、今日はいない。流石に警戒しすぎだなと苦笑する。
ずっと歩いていると校門近くの曲がり角が見えて、笑ってしまった。この曲がり角には思い出がある。俺が牧野の家の近くに住んでいると嘘をついていた時に、更についた嘘。
キョロキョロとあたりを見渡すが、そこには猫などいない。
とっさにあの時三毛猫を追っていたと言ったんだっけ?
どっちかというと俺は犬派なんだけどな。
「おはよう。今日は機嫌がいいな。」
「あ……」
昨日ぶりの声。
気づけば、目の前には穏やかに笑う牧野がいた。
「お、おはよう。」
変に緊張してしまい、声が裏返ってしまう。すると、牧野はぷっと吹き出しながら校門に入っていった。
「あ! 笑うな!」
俺もその後を追って横に並んで歩く。
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