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教えて!牧野先生
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朝も終わり、今は昼食の時間。二人で食堂のご飯を食べる。
「それで、日坂は?」
綺麗に鯖の塩焼きを食べ、牧野は言った。
「え?」
オムライスをいれたばかりの俺はまともな返事ができなくて間抜けにそう言った。突然「それで、日坂は?」なんて訊かれても困る。
「お前の、成績はいかがでしょうか?」
呆れながら牧野は俺に問う。そして、その内容を聞いて言いたくないなといつまでもオムライスを口に入れているフリをしている。
「日坂、もう口の中に入ってないだろ? いい加減諦めろ。」
はい、そうですよね。牧野先生。
「学年で195位です。牧野先生。」
必死で目を合わせないでそう答える俺。だって、今目を合わせたら多分鬼を見る目にあうと思うんだ。うん。
「……。」
案の定、牧野は言葉を失っているようだった。ビクビクしながらチラリと顔を伺うと意外にもそこに見えたのは鬼ではなかった。
「どうした、日坂。」
「い、いや、怒ってるんじゃないかなと……思いまして。」
「何故だ。」
「だって、学年は全員で207人だから……ね? ほら、今までの学業を疎かにしていたこととか……」
「そこまで状況を把握しているのなら大丈夫だろう。」
「よかった……って、今俺を軽く馬鹿にしなかった?」
「さあな。」
少しにやけている牧野の顔に俺は苛立った。
くそ! 絶対頭良くなってやる!
「それに、そう順位が極端に悪い方がしごき甲斐があるしな。」
さらりとそういう牧野に俺は目が点になってしまった。
怖っ!
「あの、牧野先生?」
「何だ?」
「お手柔らかにお願いしますね……」
眼鏡越しにじっと俺を見つめて「無理だ。」と言ったのを俺は聞き逃せなかった。
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