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第一村人(違)発見
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気合いを入れて向かったはいいものの、どでかい校門の前まで来ても入り方はわからない。なにこれ。
こういうのって普通目の前立ったら開くとかじゃないわけ。
無駄にデカいくせに役立たずもいいとこね。こんのフニャ○ン。
あら、汚い言葉だったかしら、失礼。
「…ひらけゴマ…なぁんちゃってー………え?」
冗談で呟いた小声の独り言にまるで従うかのように。
大きな大きな扉が音も無く開いていく。
「えええええ…こんなんでいいの…」
嘘みたいな状況にぼそりと漏らす言葉に返事を返す人はなかった。
「………まあ、とりあえず入ってみる?」
驚きですっかりオネエ言葉に戻りつつあったが本人は気づかないまま、ゆっくりと学園へと足を踏み入れた。
のだが、一歩入ってすぐにその歩みは止められた。
「あー、もしかして、君?編入生ってー」
現れたのは、門からちょうど死角に止まっていた派手な赤い外車の運転席から降りて来た男。
その年格好は自分とさほど変わらなさそうだが、ラフな出で立ちから生徒では無く年上の人間だろうと予測できた。
でもだからって唐突に話しかけて来た男が怪しくないわけでも無く。
どう返事をするか考えながらアタシは口を開いた。
「…そうだけど、アタ…」
「アタ?」
「…あんた、誰。」
アタシ、と言いかけて失言に気づき、言い直したが。
目の前の男は少し不思議そうなものの疑ってはいないようだった。
「ああ!そっか、自己紹介まだだったねー。俺、山田。君を理事長んとこまで案内するよう言われてたんだー」
一見ただの爽やかそうなイケメンだけど、なんとなく癖のありそうな男ね。
てか山田って顔じゃないでしょ。
なんのギャップ狙ってんのよ。
「…へぇ、その車で?」
「うん!俺の愛車のエヴァンジェリン。エヴァって呼んでー。ほんとは女子以外助手席に乗せない主義なんだけど、理事長命令じゃしょうがないからさー」
「…(おしゃべりだこと。ま、どうでもいいわ。適当にかわしときましょ。)じゃ、案内ヨロシクオネガイシマス。」
「はいはーい。んじゃ助手席乗ってねーーー」
「…(編入早々こんなド派手な車乗れっての?目立つじゃないよー!あー嫌だ嫌だ…)車乗る程の距離っすか?」
「え?………あー、そっか。来たばっかだもんね。うん。仕方ない仕方ない。まずはそっからかー…」
「?」
「あのねー、君、学園までどうやって来た?」
「(?…どうってそりゃ、)バス(で来たわよー遠いったらありゃしない!)」
「だろうね。で、君はバスを降りて門まで歩いて来たよね?」
「(まあ、そうね。でも)それが?(なんだって言うのよ!)」
「どんくらいかかったー?」
「(源ちゃんに嫌がらせにワン切りしまくってたから正確には覚えてないけどぉ…)10分、?」
「へー君歩くの早いね!でもまあ大体そんくらいかなー?」
「…で?」
「こっから俺が君を連れて行きたい場所はその距離のざっと3倍なわけよ。だーかーら、こっから更にそんな距離歩くの嫌でしょ?」
男はにっこり笑ってそう言った。
「…は?」
マジかよ。思わずアタシがオネエ言葉を忘れて口走った言葉だった。
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