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犬派?いえ、断然猫派です
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「てかさっき君がー、正門の前で門睨んでた時から実は俺見てたんだよねー」
「…(もしかして、ひらけゴマのあたり聞かれた?!)」
「でもさあ、なんか、あんまりにも深刻そうな顔してたから、つい声かけそびれちゃって。門開けてきっかけ作ったって感じー。」
「…へぇ、(あのひらけゴママジックはそういうことだったのね…)」
「いや、マジごめんね?悪気はなかったんだー。でも君、なんつーのかな。独特の空気持ってるつーか。うん。」
「…あそ。(どうでもいーわよ、んなこと)」
「ところでさ、話は変わるけどー…君、理事長の何?」
「…は?(何言ってんの、こいつ)」
「だってさー、どう考えてもオカしいでしょ?中途編入とかうちほぼ無いんだよね、しかも理事長の口利きって?あの理事長が?ありえないことばっかりですっげー興味深いね。」
「あー…(理事長って確か源ちゃんに惚れてんのよね?それでアタシのことも恩売るつもりで引き受けたんだろうし、下心の塊みたいな男ね、ほんと。でも別にアタシに害さえなきゃどうでもいーけど。)さあ、?」
「さあって…君ねえ…」
「(めんどくさいわねぇ)…寝る。」
「ちょ、え?!このタイミングで!?マジでー?!」
「うっせぇ、黙れ」
「うわガチだ!ガチで寝る気だこの人ー!」
「…(ギロリ)」
「…はーい、だまりまーす…」
「着いたら起こせ、山田太郎」
「うぃーす……って、太郎じゃねーし!ちょ、変な呼び方やめてくんない?!え?もー寝てるしwwwなにこれおれ超可哀想なんですけどwww」
ーーーーー
「着いたよー?」
「…ん、」
「う、わ…いろっぽー…」
「…なに見てんの」
「あっ、ごめんね?!着いたから起こそーと思って声かけてただけで他意は…多分無い?」
「あっそ」
「あはは、いやまじでおれ普段はこんなこと無いんだよ?って、聞いてないしー」
「理事長室どこ」
「清々しい程のスルーっぷりだね!ちょっと俺新しい何かに目覚めそーだよー、っと。理事長室はこっちねー着いて来てー」
「ん。」
1人で勝手に大騒ぎする山田太郎(山田:違うってばー!)は無視して、目の前の男の尻ポッケでチャラチャラと揺れる鍵を眺め寝起きのぼーっとした頭でマイスイートハニーの妄想を膨らませつつついていく。
どうやら今足を踏み入れたピッカピカの高級ホテルみたいなやつが校舎らしい。
アホかって言う程金かけてやがるわね…。
入ってすぐのエレベーターに乗り込むと、山田がカードを通して暗証コードみたいなのを十何桁も入力してようやくエレベーターが動き出す。
更にその横の通話装置みたいなのを押して、山田でーっす。転校生お届けに参りましたー。とゆるっゆるな報告をしたと思ったら、通話の相手から低い声で、承知しました。とだけ返事がありプツッ、と切れた音がする。
「ふーん…随分手が込んでるね」
率直な感想だった。
「あっはは、そーっしょ?マジうちの理事長007とか好きなんじゃね?みたいな?俺も網膜スキャン導入しようと思うとか言われた時は流石に顎外れるかと思ったしー」
「網膜スキャン…(笑い事じゃないんじゃないの?やりすぎでしょ。アホらし)」
「やーでも近々指紋認証は取入れるとか言ってたかなー?今のカード識別で充分セキュリティとしては120%だと思うんだけどねーえ?」
「…ここ高校だよな…」
「もういっそ秘密結社とか名前変えよっかねー」
「笑えない」
「え。マジか。俺的にはかなりキてると思ったのになー」
くだらない話で若干盛り上がりつつ。
ようやくエレベーターが目的の階についたらしい。
「…まさか、他の階もこんなめんどくせぇことすんの?」
もしそうならいちいち乗るたび移動のたびにこんなんやってらんないわよ、と憂鬱になりながら訪ねる。
「いやいやw流石に他はへーきよ?ただ生徒会フロアは専用のカードが無きゃダメで、理事長んとこは更にコード入力が必要ってなだけ。全部だったら俺エレベーター嫌いになるよー」
「(アタシはもう既に嫌いになったけどね)…あっそ。」
「ちょ、自分から聞いといて冷た過ぎるよアイちゃーん!」
「…アイちゃん、?」
「あ。いや名前藍川玉緒じゃん?だからアイちゃんかたまちゃんじゃん?」
「…黙れ太郎。」
「ちょwwwとうとう俺の名前の欠片も残ってねーしwwまじかwww」
「つか太郎って呼ぶのもめんどい。『タ』でいーか。」
「おいいいいいwめんどくさがりすぎでしょww3文字すら呼んでもらえないわけ?!俺!?つか太郎って名前じゃないけど!」
「うざ…じゃあタロでいーだろ。しつけーな。」
「『ウ』は?!あと1文字呼んだ所で変わらなくない?!ねえねえ!?」
「あーうっさい。わかったよ、山田な山田。」
「えええええええ散々言って結局そこ?!それはそれでショックだわー」
「山田とっとと仕事しろ」
「ひどwww」
いつまでもぐだぐだ言って一向にエレベーターから降りない山田に痺れを切らし先に降りると、慌てながらもついてきた。
これじゃどっちが案内役かわかりゃしないじゃないの。
「あーもー…ま、山田でいっか。一応ちゃんと俺の名前だし?」
「これ?理事長室。」
「ん?あーそーそーそれそれ。わっかりやすいっしょー?」
「ん、まあ。(こんだけ趣味悪いセンスの扉してりゃあね。)」
ごってごてに装飾されまくったどデカい扉を前に振り返れば最早着いて来るだけだった自称案内人はへらーっと笑う。
こいつ自分の仕事忘れてんじゃないの。
「じゃー俺が声かけて先入るから君はー…」
ガチャ
「え?えええええええええ?!ちょ、人が話してる最中に開ける?!しかも何の躊躇もせずにwww」
「ちわー、源の紹介で来ましたー」
「てか藍川君キャラ違くねwwwww」
うるせー駄犬。
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