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その頃鬼側は 【副頭領視点】
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「……」
仕事をしていた頭領の目つきが、一瞬鋭くなった。
「どうした、赤司」
「……どうやら、あの裏切り者の子供の山に誰か入り込んだようだね」
「何だと!?」
あの山は、ほとんどの者達は入れはしない。だからこそあの二人はあの山を選んだのだ。
鬼も悪魔も誰も入った所で、"出られない"のだから。
「あの雪山にか?人間でも迷い込んだのか……」
「……多分、気配からして人間だけど……気になるな」
「どういう意味なのだよ」
「真太郎、僕達の裏切者を覚えているかい?」
あの二人を始末した後、とある集落ごと裏切った者達がいた。
「……誠凛集落の者達の事か」
「そう。テツヤが治めていた誠凛集落」
黒子という青空のように澄んだ水色の髪の鬼が治めていた、誠凛集落。
彼等は誠凛集落の全員で、この鬼の一族を裏切った。
「あの子の気配によく似ているんだ」
「何?」
首謀者と思われていた黒子は姿を消し、
補佐である相田リコ、日向順平の両名と誠凛集落の全員が消息不明となった。
「何故、黒子が裏切ったのか。僕はそれが知りたい」
「ああ……。俺もそれは気になっていたのだよ」
黒子はとても優しい鬼だった。だから俺達は黒子を大切にしていた。
仲間を大事にする、強い鬼。
だからこそ、何故裏切ったのか俺は知りたかった。
「近い内に、誠凛集落をもう一度訪ねてみようか。……誰もいないだろうけど」
「分かった」
黒子が裏切ったと知って以来、久しぶりに笑った赤司。
やはり、黒子の影響はすごいものがあるのだよ。
「にしても、仕事が多すぎるな……」
「頭領に婚儀をという嘆願も多いのだが」
「却下」
「少しはまじめに考えるのだよ!」
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