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桐皇領域のキセキ 【長視点】
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「青峰」
補佐の今吉サンの声がする。
「何だよ」
「何でまたそないに荒れとんねん」
「いつもの事だろ」
そう、俺が荒れてるのはいつもの事だ。
「はあ……。暴れすぎやて頭領にもお咎め喰ろうてるんやで?
ちぃとは大人しゅうしてや」
「いや、赤司の命令でもそりゃ無理」
俺は、テツの裏切り以来……荒れていた。何で俺には何も言わなかった。
誠凛の奴らと一緒に消えやがって……。
「……オイ」
その辺にいた胸糞ワリィ悪魔を掴みあげた
「ひぃっ!お、鬼の長だ!」
「逃げろ!!」
周りの悪魔達は自分の巣に逃げ去った。
掴みあげた悪魔は、涙目だ。
「何こっちの近くまで来てやがる」
「こ、ここは桐皇領域、で、悪魔の……」
「うるせぇ」
ただただ無感情に殴った。こんな事をしても、俺の心は晴れない。
かなりの時間が経ったはずのテツの裏切りに、怒りがまだ燃え上がる。
「オイ!うちの悪魔達に手ェ出すんじゃねえよ!!」
来た。めんどくせェ、悪魔の領主。
「ハァ?うちの集落に近付こうとしたのがワリィんだろうが」
「おま……、ここは悪魔の領域だ!勝手に踏み込んできてそりゃねえだろうが!!」
どうでもいい。俺は殴りかかった。
コイツでもいい。俺の気が晴れるなら、誰だって。
「ちょ、青峰!」
「待ってください、若松さん!」
「スイマセン!若松さん待ってくださいスイマセン!」
補佐達が止めるがンな事知ったこっちゃねえ。
殴り合いやら、それぞれの力を使ったりやらして、ところどころクレーターが出来てた。
「ちょ、アカン!青峰、それ以上したら!!」
「若松さん!この領域が!!」
その時、テツの声がした。
「待ってください、青峰くん。若松さん」
水色の影が、俺達の間に入り込んできた。
「何してるんです、かっ!」
ハリセンで俺とアイツを叩いて、二人して頭を抱え込んだ。
「いてぇっ!!」
「……テツ!?」
水色の影……まぎれもないテツが、そこにいた。
「ああ、もう。桐皇領域は水が豊かな都だと言うのに、貴方方のせいでボロボロにして……
馬鹿ですか、馬鹿ですよね。そうですよね」
「…………テ、ツ?」
「うるさいです、何回も呼ばなくても聞こえてますよ青峰くん……いえアホ峰くん」
「アホ峰じゃねえ!!」
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