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コイツと共に 【忌子視点】
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「酷いです……」
「あんまりにもお前が食べねえからだ」
「……僕だって、好きで小食な訳じゃないです」
何とか朝食を食べさせた後、一応食料だけを持って出た。
空は綺麗な青空。コイツの髪みたいだった。
「オイ、」
俺は黒子に手を差し出した。
「はい?」
「手、離すなよ。離したら迷って、この山に閉じ込められるからな」
「はい」
ギュッと握られた手を、しっかり握り返して森の中へと入った。
確か、ここを右に曲がって……。
「うわっ」
「!?」
黒子が叫んだと思ったら、雪に足を滑らせて転んでいた。
「ドジだな、お前」
「……冬の山って、危険なんですね。冬には行かないようにします」
黒子を支えて立ち上がらせてから、また長の言葉を思い出しながら下りる。
次が左、下って右。次は登って……
しばらくして、古い民家が見えてきた。和風、か。
ということは。
「ま、まだですか?」
もうバテたのか。黒子、体力なさすぎだ。
「着いたぞ」
どこかの領域の……鬼の本拠地。集落の方だ。
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