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過去の代償 【2トップ視点】
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テッちゃんが話す過去に、誰もが沈黙した。
タツヤちゃんでも。……アタシは泣きそうだった。
どうしてかしら。どうしてアタシ達は分かり合えないのかしら。
「……君が、大我に背負わせたものは……?」
タツヤちゃんが聞いた。それを聞くのがやっとのように。
「……ボクは、火神くんに裏切り者の名を着せました。ボクは首謀者として弾劾されるべきだったのに。
ボクだけが、完全な魂で転生しました。だから、ボクと彼の記憶も人格も切り離されています」
それこそが、ボクの罪。自分だけが綺麗に生き残り、転生した。
そう、言いたいのかしら?
「黒子。もう少しで入れる。お前が通った道が分かった」
「火神くん」
テッちゃんが言った。
「ボクは、逃げたくないんです。赤司くんは約束を守りました。なら、ボクが今度は守らなくてはいけません」
「どういう意味だ?」
「今、キミが来ても、順平くんでもリコさんでも誰であっても、ボクは人間界へ帰るつもりはありません」
それは、アタシ達にも衝撃の発言だった。
「な……!?」
「どうして……!?」
「……赤司くんとの、約束を果たしに戻って来たからです」
どんな約束か、アタシ達は知らない。
でも、征ちゃんとの約束なら……
もしかして、征ちゃんって……あの子かしら。
悪魔ではアタシしか知らない、もう一人の征ちゃん。
……どうして、いるのかしら。
「……征ちゃんに、会うのね?」
「はい。いずれは」
「どうするつもりなの」
テッちゃんは、深呼吸して言った。
「赤司くんを、頭領から解放します」
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