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壊す訳には行かない【海常領主視点】
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コイツら、3人だってのに強い。さっきからウチの被害が増してる。何だってんだ……!!
式神を扱うみてえだが、強すぎる。
「正直、まずいッスよ」
高尾が言った。ああ、分かってる。領主が2人もいるのにな。
「高尾!」
トップの声がする。向こうの狼から声かけているらしい。
「緊急事態だ、秀徳に戻れ!!笠松、出来れば3人は海常で抑えてくれ!」
「はあ!?無理だ、3人ですら手こずってんだぞ!?」
コレをどうしろってんだ!?無茶だ、ただでさえ消されたのが普段より多いってのに!
補佐の森山と顔を見合わせた。
「あれー?」
聞き慣れた声がする。聞くだけで腹立つ声だ。
「まーさーか、人間ごときにビビってるんじゃないッスよねえ?海常の、しかも領主サマがまさかねえ」
黄瀬だ、金髪を靡かせた鬼が人間が放った式神を次々に破壊した。
「うっわー……、悪魔は確かにこのテの式神に疎いからなあ……。えげつなっ」
そして、黄瀬の顔が歪んだ。
「アンタ、この式神に鬼の血をいくら使った?なあ?……ぶっ潰す」
鬼の血……?まさか。
「ここは俺らだけで十分ッスよ、だから秀徳のヤツは秀徳に行けよ」
高尾は黄瀬の言葉に俺と黄瀬を交互に見て、それから羽を出して秀徳へ向かった。
「んで?なーんで人間がこんな所にいるんスかねえ。しかも鬼の血染み込ませた札の式神使ったりして」
「決まってんだろ」
3人の中の1人が言った。
「てめえら悪魔と鬼がもう人を襲わねえようにするんだよ」
俺達は、それを聞いて殺気を増した。
「誰が、いつ襲った?」「最近は頭領の命令もなくて悪魔に喧嘩ふっかけるしか出来なかったのに?」
そんな人間の勝手に、付き合ってられるか。この世界で俺達は割と平和に暮らしてんだ。
世界を、壊される訳にはいかねえよ。
「青峰っち、聞こえるッスか?」「おう」
「トップ、聞こえてるか」「ああ」
「「勝手な人間ごときに世界壊されんじゃねえぞ!」」
俺と黄瀬が同時に、式神に囲まれた人間の方へ突っ込んだ。
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