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俺×ヒーロー?
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「うっ、うえええ…………」
「……………………」
流石にスルーは、酷いか。
童島くんを送ってその帰り道、道端でリバースしてる人に出くわした。
口元からモザイクかかってる。
うわあ、苦しそう。
時間も時間だし、男性みたいだしきっと酔ってリバースしてるんだろう。
一応良心ある俺は、見過ごすことはしなかった。
その判断は間違ってなかったのに、間違ってたと思ってしまう。
「あの、大丈夫ですか?」
「うっ、うう…………」
「ほら、無理しないで吐きたいなら吐いた方がいいですよ」
声をかけながら背中をさする。
しばらくして、やっと落ち着いたようだ。
持っていたティッシュを差し出す。
「あ、ありがとうございます……すみません。」
「いえ、気になさらないでください」
「すみません……」
男性がちらり、とこちらを見た瞬間目の色が変わった。
今までゾンビみたいな死んだ目をしてたのに、なんというか恋する乙女というか。いや違う、もっとアダルトっていうか、性的興奮が見て取れる。
間式さんも言っていたとおり、俺を見て嫌悪感を抱く人間はほぼおらず、むしろ好感、中には発情する人も少なくない。
別に初めてじゃないが、今この状態はまずい。
この人ゲロ吐いてたんだぞ。
「待った、待って、ストップ!」
「ど、どうかお礼に僕の体でも」
「いえいえ結構です!間に合ってます!!」
「遠慮しないでください、それに……僕はもう……我慢できそうにないんです……!」
彼はおもむろにベルトを外してパンツごとズボンを下ろした。おっしゃる通り自重できていない彼の息子さんがそそり立っている。
ひい、と小さく声を漏らすも相手はじりじりと近づいてくる。
余談だが、好感を持たれても危害を加えない保証にはならない。
なんなら的井くんの不法侵入も社会的には危害だ。
巷にはヤンデレなるものもある事ですし、性的興奮が行き過ぎて理性が働かない、なんてこともある。
つまり、この人は理性が働かない状態で、彼の頭の中は「セックスしたい」でいっぱいなのだ。
「通報しますよ!」
「大丈夫です、僕に挿入れてください!」
どうしよう、逃げるかヤるか考え始めたところで、鈍い音と一緒に男性が視界から消えた。
ドサ、っと倒れた彼は、気絶している様だ。
「大丈夫ですか?」
声をかけられて、さっと血の気が引いた。
この声はよく知っている。
高身長のモデル体型、柔らかい茶色のくせっ毛、少し眠そうに見えるタレ目の甘いマスク、心地よい低い落ち着いた声。やつの行動原理はまさに、良心に尽きるであろう善人中の善人。
俺の会いたくない人間ランキング堂々1位、佐藤孝介だ。
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