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俺×定期検診
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薬を飲んで一週間後。
俺はまた株式会社間式の本社へと出向いていた。
理由は簡単、定期検診だ。
「身体検査は以上です。今のところ健康そのもののようですね。男性になってしまったこと以外は。」
相変わらずイケメンな間式さんはニッコリと微笑んでそう告げる。
続けて世間話みたいな質問をいくつかされた。
脳への障害がないかどうかの確認作業らしい。
「ところで、館上さん。男性としての人生はいかがですか?」
「え、ああ、謳歌させてもらってますよ。まさに望んでた通りです。」
「これは、私の好奇心からの質問で検診には何ら関係はないのですが、ひとつ聞いてもよろしいでしょうか?」
「なんですか?」
「館上さんは、何故、男性になりたかったのですか?」
…………。
困った。
実に答えにくい質問である。
別に、なんと言葉にすればいいのかわからないという答えにくいではなく、明確な答えそのものを聞かせるべきか聞かせざるべきか、という答えにくいである。
答えは簡単。
いろんな男をぶち犯したかっただけだ。
アナルに突っ込んで、ひんひん言わせて、俺の精子をブチ込む。
言ってしまえば性欲、ただそれだけである。
しかしいくら男になってしまったからと言って脳みそまでも男になってしまったわけではない。
男性を性対象にするのは、俺が女だったからだ。
まあ他の人からしたらおれはゲイ以外の何者でもないけど。
「まあ、女のままでは出来なかったことがあったと言いますか……」
「と、いうと?」
「感覚的なものですね、女だから、っていう見方から脱したかった、みたいな。」
「ふむ……なるほど。」
なにがなるほどなのかさっぱりわからない。
真実からはとっても遠まわしな説明に間式さんは最もらしく頷いでいる。
「検診は以上で終了です。お疲れ様でした。また後日結果と次回の検診の日程をご連絡いたします。」
「わかりました。ありがとうございます。」
間式さんの爽やかな笑顔が、なんだか見透かされているようです怖いと感じた。
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